必要な機能を絞り込んでシンプルにまとめ、工事現場で使い込まれた足場板をフローリングとして敷き込むことでワイルドな空間に仕上げたリノベーションのご紹介です。
足場板は、建築工事の職人が高所作業時の足場として使用する板材のことをいいます。
天井もコンクリート躯体の現し仕上げとし、足場板の程よいダメージ感とうまく調和して独特の味わいと雰囲気が生まれています。
キッチンはステンレス製のフレームキッチンを採用。必要最低限の機能だけを残し、さらにオープンキッチンにすることでスムーズな動線を実現するなど一切のムダを省いています。
ネイビーのアクセントクロスとの相性もよく、うまく融和しています。
もともと2部屋だったリビングダイニングも、間仕切りを取り払い広々とした開放的な空間へと変わりました。2つの大きな掃き出し窓によって、明るく、そして圧倒的な解放感を得られる点は大きな魅力といえるでしょう。
また天井にはハンモックが設置できることなど、遊び心を加えているのもこだわりのひとつです。
玄関には、コンクリート躯体の現し仕上げのL字に折れ曲がった十分すぎる広さの土間を設けています。
そしてネイビー色でロータイプの玄関収納を設置し、圧迫感のない明るい空間になりました。
玄関ホールから各部屋までの通路にも足場板のフローリングが続きます。
玄関土間のすぐ横に位置する洋室は、鮮やかなライトブルーのアクセントクロス。実はこのクロス、チョークで落書きしたり消したりできる黒板のような壁紙なのです。単なるアクセントだけでなく、子どもの自由な感性を磨く重要な役割も果たします。
そして玄関土間との間仕切り壁には引き違いの造作内窓を設置しています。
洋室では、ネイビーの建具がアクセントとなって目を引きます。
スイッチはワイルドな空間にぴったりな「アメリカンスイッチ」です。日本ではあまりお目にかかることはありませんが、アメリカでは定番のスイッチになります。
洗面室は、こだわりを織り交ぜながらもすっきりとした空間に仕上がっています。
グリーンのアクセントクロスと六角形のモザイクタイルがマッチして、乱雑になりやすい洗面台まわりも上品でおしゃれな印象を与えることができます。さらにカウンターを造作することで、他にはないオリジナルな洗面化粧台の完成です。
トイレにもグリーンのアクセントクロスを貼って、シンプルで落ち着きのあるリラックス空間に仕上がりました。
あらゆるムダをそぎ落とすなどシンプルさを追求しながら、足場板のヴィンテージ感がワイルドな空間をつくるリノベーションになりました。