東京近郊の緑あふれる場所にあるマンションの1室で、その環境を生かした自然を感じるお部屋が完成しました。3面採光という贅沢なお部屋の特徴を生かし、緑、光、風を感じることのできるお部屋です。カッコよさと美しさが調和した大人の爽快感があるデザインで、様々な拘りとテクニックが詰め込まれています。
こちらは大きなLDKです。
フローリングには天然無垢材のオークを使用しています。無塗装のオークフローリングなので、自然の木の色が美しく、大きな窓から見える緑と相まって、森の中にいるようです。開放的なLDKは2面バルコニーに面しているので充分に光の入る明るい空間になっています。
天井は限界まで高く上げ、そのまま躯体現しにしています。自然素材とは相対的な躯体コンクリートの無骨な様子が、作り込みすぎないカッコ良い演出をしています。
リビング側天井には黒のライティングレールを敷きました。
間仕切りの無いリビングダイニングですが、天井のライティングレールをリビング側に輪のように敷くことで、空間の区分けを認識させています。コンクリートと黒のラインも相性抜群です。
リビング側の壁にはアクセントクロスで紺を採用。白とオークで全体を構成された部屋の中で、天井の無骨なコンクリートと紺のクロスにより、空間全体が程よく大人の落ち着きを持っています。
壁一面は見せる収納です。3つに分割された収納棚は、テレビの大きさなどを計算して設計されています。棚板は収納する物や箱、又はインテリア雑貨などによって自由に高を設定できる稼働棚です。棚を取り外すこともできるので、観葉植物などを置くこともできます。
照明のスイッチは全てシルバープレートに黒のタンブラースイッチを採用。整列して並んだスイッチとシルバーのプレートが端正で凛々しいです。こういった細かいところも拘ることができるのがリノベーションならではですね。カチッカチッという感触が楽しいスイッチです。
キッチンは独立型のアイランドキッチンを採用しました。外側壁面にはイタリアデザインの白タイルを施しています。目地の線がハッキリと模様を描き、一般的なスクエアではない特徴的なデザインが目を引きます。キッチン窓側からは奥の寝室へと繋がります。
寝室奥にも開閉可能な出窓があります。キッチンと繋がる扉を開放すれば、ダイニング側バルコニーから寝室へと心地よい風の通り道ができます。出窓から見える緑の景色にも癒されます。
こちらは玄関ホールです。壁を取り払い、横に広がる土間を作りました。
土間から開放的なガラス引き戸で隣接している部屋は、大きなクローゼット部屋です。
大容量ストレージなので季節ものやスーツケースなど、収納場所に困るものも全てここにまとめておくことが可能です。全面ガラス扉なので室内でも圧迫感が全くありません。
生活感の出る物や見せたくないものは、玄関側から死角になる部分へ。
爽快な水色のアクセントクロスの前にハンガーパイプを設置し、洋服をかけて収納すると、まるでセレクトショップのようなお部屋になります。
クローゼットは湿気が気になりますが、玄関側の外壁にも窓があるのでガラス引き戸を開放すると換気も可能です。また、リビングドアを開放すると、廊下が風の抜ける道になります。
こちらは洗面です。収納は鏡面収納のみ、という潔さ。
ハンガーパイプ、電気コンセント、照明スイッチなどの小設備は黒とシルバーで統一。照明はエジソンランプを1つ付け、とことん男前セレクトです。洗面ボウルの下も扉をつけず配管を見せています。しかし、タイルや洗面ボウルといった面積の広い設備には、植物の様なナチュラルな色味と模様のタイルを施し、洗面ボウルは白を採用することで、メンズライクになりすぎず、清潔感があり安らぎを感じます。
緑に囲まれた立地にあるお部屋で、沢山ある窓とサッシを生かし、風と光をより感じることのできる設計にしました。
物が増えていくのは隠せる収納があるから、という説もあります。収納扉を極力設けずオープンにすることで、よりシンプルな暮らしができるのではないでしょうか。自然色で安らぎのある空間の中に、程よく無骨さを加えることで上質なデザインに仕上がりました。何年経っても飽きることの無い大人カッコいいお部屋の完成です。