住まいに欠かせない収納に、棚をうまく活用することで圧迫感や閉塞感を抑えながらスマートに仕上がったリノベーションをご紹介いたします。
収納は、しまい込むだけでなくあえて見せることでディスプレイの要素を持ちインテリアのひとつとして機能します。
まず、キッチン上部にはメッシュ棚と木棚の2段で構成されたアイアンフレームの吊り棚を設置。箱型の吊戸棚とは異なり、リビングダイニングからの照明の光を遮ることなく、圧迫感のない明るい空間となりました。
背面にもカップボードではなく造作棚と可動棚を設置しています。
食器やグラスなどを見せた状態で収納することで、まるでカフェのようなおしゃれな演出が可能になります。
またこのスタイルは、扉を開ける手間を省略できること、そしてどこに何があるかすぐにわかることなど、生活の効率をアップできる点も大きな魅力です。
もともと2部屋だった間仕切りを撤去することで大空間となったリビングダイニング。
床全面には無垢のフローリングを張り、2つの大きな掃き出し窓から入ってくる太陽光の効果とも相まって、温もりを感じる部屋になりました。
そして折れ戸の収納を開けると、そこにも可動棚を使いながら十分な収納力を確保しています。さらにすぐ隣にも枕棚を設置し、デッドスペースになりやすい天井下部分を有効活用しています。
洋室にも折れ戸の収納があり、その中には枕棚とわずかなスペースにも可動棚を設けています。ちょっとしたスペースもムダにすることはありません。
玄関は十分なスペースを確保し、造作棚を使って靴収納としています。
雑然としがちな玄関でも、オープンに棚を使ってきれいに靴を並べておくと、まるで靴屋さんのように整然と、そしてすっきりとまとまります。
また湿気や臭いがこもりやすい場所でもありますが、抜群の通気性でそのような心配もありません。
洗面所は、とくに使うアイテムが多くごちゃごちゃしやすい場所です。しかし、このようなところだからこそ見せる収納が本領を発揮します。歯ブラシや化粧品、ヘアケア用品など、きれいに並べて置いておくだけで収納として機能します。また頻繁に使うものも多く、「使っては置く」だけを繰り返す利便性もあるのです。
さらには、使用したアイテムは湿気を含みやすくなりますが、オープンにしておくことで乾燥も早くなるなど、機能的にも水回りに適したスタイルといえるでしょう。
トイレは、グリーンのアクセントクロスで落ち着きのあるリラックススペースとなりました。またアイアンテイストのアクセサリーが空間を引き締めるアクセントとなって、おしゃれに仕上がっています。
住空間のいたるところに棚を配置することで一切の圧迫感や閉塞感を排除し、見せる収納の技が光るリノベーションが完成しました。