ここ数年、自由設計のリノベーションでは、寝室は小さく、リビングを大きく、というのがトレンドです。なるべく長い時間を家族全員で一緒に過ごす。そこで生まれるコミュニケーションの積み重ねが家族の絆となっていくことでしょう。
今回は、自然と家族が集まり、そこで過ごす時間を快適に楽しく過ごせるように造られたリノベーションのご紹介です。
約20畳という贅沢な広さのLDKです。2面採光が取れるお部屋で、バルコニーはルーフバルコニーになっています。広々とした空間に贅沢なほど光が降り注ぎます。
フローリングには無垢材のオークを使用し、天然の木の美しさが映えています。クリアオイル仕上げの無垢材を使い、天然の持つ色と木目はそのままに、汚れがつきにくく、差し込む光を上品に反射します。
無垢材は冬でも裸足で歩けるほど表面温度が下がりにくいと言われています。防虫効果や防水効果もあり、耐久性にも優れています。快適な住空間を長く保つために適したフローリングと言えます。
LDK全体を照らす照明は天井にダウンライトを定間隔に配置。天井に凹凸がなく、とてもスッキリとした空間になります。壁も全て白で統一。広い空間がより広く、より明るく感じます。壁を全面白にしたことで、窓枠サッシの黒が良いアクセントとなっています。
LDKは既に配置するそれぞれの家具の場所と大きさを想定して設計されています。
テレビは壁掛けにできるように、予め設置用金具を固定しました。壁掛けテレビも大きいインチのテレビになると重量があるため、設置部分の壁を補強する必要があります。リノベーションの際には予め要望を出しておいた方が得策です。壁掛けテレビにすることでテレビ台を置く必要が無くなり、無駄なデッドスペースがなくなります。
キッチンはリビング向きに変更し、前面をオープンにしました。キッチンに居る時も、リビングダイニングにいる家族とコミュニケーションを取ることができ、常に同じ空間にいることが感じられます。
ダイニングテーブルの場所には白のライティングレールを敷き、黒の大きめのペンダントライトを設置。木目と白のシンプルな部屋の中で、サッシと同じように適度なアクセントとなっています。
キッチンの横には隠せる収納場所を作りました。掃除機など、生活感が出てしまう物を収納することができるため、LDKは常にスッキリと快適です。白の格子扉は爽やかなデザインで壁と調和しています。格子扉にすることで収納の中も風通しが良く、カビ防止対策にもなっています。
キッチン背面には大容量の収納棚を設置しました。棚や扉の色はフローリングの無垢材と馴染むナチュラルな木目を選択。取っ手には黒を採用し、全体のバランスを崩しません。見せる収納棚1段目の下部にはワイングラスホルダーとパイプハンガーを付けています。
パイプハンガーにはS字フックを付けてキッチン雑貨を飾り収納する予定です。
白いタイルの目地には一般的な黒ではなく淡いグレーを使い、タイルが目立ちすぎず優しい印象に。配置するキッチン家電を考慮してコンセントの位置と数も緻密に計算されています。
白のタイルをバックにワイングラスが並んだら、洗練されたカフェの様なキッチンの完成です。
リビングにはもう1つ仕掛けが。2つの出窓の間に、トレーニング用のキャンパスボードを設置しました。
キャンパスボードは指をかけてぶら下がる上級者向けトレーニング機器です。光の当たる場所でテレビを見ながらトレーニングができます。こちらも重量を支えるための壁補強が必要です。安易にDIYなどで設置するのではなく、安全に長く使えるように、リノベーションの際に相談するのがおススメです。
こちらは玄関です。
上がり框を斜めにしています。広い土間などは設けていませんが、斜めにすることで奥行きが生まれ、空間を広く感じる視覚効果があります。玄関を開けて一番初めに目に入る場所です。上がり框を斜めにするだけでオシャレな空間になります。玄関からまっすぐ伸びる廊下が、自然とリビングへと足を運ばせてくれます。
明るいリビングを最大限生かし、より広く、より明るく見せるスッキリとしたシンプルなデザイン。どこにいても家族がひとつの空間に一緒にいることが感じられるオープンな設計。無垢材フローリングで快適な環境を実現し、生活感の出る物は隠せる場所を確保し、無駄なデッドスペースを作らない工夫が込められたリノベーションでした。
家族が一番長い時間を共に過ごすLDKです。余裕のある広さで、いつでも心地よい空間を保ちたいものです。