壁と扉によって仕切られていた3LDK72㎡という大きなマンションの1室を、壁や扉を極力少なくオープンな設計に変更しました。間仕切りが無いことで、いつでも共に生活していることを感じ、心温まる家となりました。
もともと和室のあった部屋の壁を取り壊し、大きなLDKと一体化しました。1面のみ爽やかなブルーグリーンのアクセントクロスを貼っています。天井、ライディングレール、スポットライトは全て白で統一し、空間に広がりを感じます。
フローリング全面には無垢材のオークを使用。無垢材の持つ自然な柔らかい色味と、壁天井の白、爽やかなブルーが相まって、清潔感のある爽やかなお部屋に仕上がりました。
無垢材は新建材と比較すると、実際の表面温度が冬でも冷たくならず、裸足で気持ちよく歩くことができます。天然素材の温もりが家全体に広がります。
押し入れだった場所にはワークスペースを作りました。元の押し入れ奥行きより若干広い幅に設計されています。
上部には資料や本などを置ける棚を設置し、下部にはパソコンを置いて作業ができる棚を設置しています。デスクの方は壁に囲まれているので集中して作業ができ、引き戸を開ければ換気もでき、リビングにいる家族との一体感を感じることもできます。
キッチンは場所を移動し、Ⅱ型を採用しました。Ⅱ型はスペースが必要なためあまり見かけないかもしれませんが、とても使い勝手が良い形です。シンクとコンロが向き合っていて、振り返るだけなので作業導線が短く、かつ、コンロとシンクのどちらも横に作業スペースがあるので広々と使えます。
作業スペースが多い分、その下にある収納も大容量になっていて、沢山のキッチン用品を隠して収納できます。
シンクは一切壁で遮られていないアイランド型なのでリビングにいる家族と同じ空間にいることを実感できます。自然な木目のキッチンはナチュラルなLDKデザインとマッチしていて真ん中にあっても違和感なく馴染んでいます。
キッチン横には隠せる収納場所を作りました。掃除グッズなど、どうしても生活感が出てしまうものを気兼ねなく収納できます。扉は白のルーバータイプを採用しています。ナチュラルで爽やかな部屋のデザインと合っていて可愛さもあります。
ルーバータイプなので通気性がよく、湿気がこもりにくいのでカビやダニの発生を防ぎます。デザイン性と実用性を備えたアイテムです。
キッチン横には洋室が2つあります。といっても、壁はありません。建物の構造上取り払うことのできない真ん中の柱を境に、2部屋となっています。この自由なオープンスペース2部屋は、もちろん1部屋として使っても問題ありません。この柱の部分に収納棚を設置して、オープンスペースを2部屋に区分けすることもできます。年々変化するライフステージに合わせて自由に用途を変えることのできる部屋となっています。
壁を作らないことにより、他の部屋との一体感があり、どこにいても家族の温もりを感じることができます。
洗面スペースは他の水回り設備とは孤立して、居住スペースの中に作っています。
ウィルスなどが気になる今日この頃、帰宅時に玄関から入ってきて、どこの扉にも触れることなく手洗いができます。横に広い洗面は使い勝手が良く、白く平らな洗面ボウルがダウンライトによって美しく照らされています。下部には棚を造作し、収納も充分です。
こちらは居住スペースとは違い、濃い色でデザインされた土間スペースです。玄関から繋がっていて大量の靴を収納する可動棚を壁一面に設置しています。
収納棚のある壁には一面にチーク材のパネルをヘリンボーン貼りにしています。チーク材は濃淡があり、ヘリンボーンにすると木目がより際立って美しく描かれます。造船などにも使われるほど強靭性があり、水や虫、腐食に対する耐性があるのも特徴です。
フロアタイル、黒の可動棚、チーク材のヘリンボーン貼り、照明のエジソンランプが全て相性良く、ガレージの様な土間が完成しました。
家族のつながりと温もりを感じることのできるオープンな設計。そして天然の木材から感じる自然の温もり。全体的に明るい色で統一され、どこにいても温かみを感じることのできる家が完成しました。