70㎡を超える大きな1室と角部屋という特徴を生かし、1LDKのシンプルな間取りから実際の生活スタイルに合わせた間取りに変更しました。ここから新しく始まる生活が、長時間いても心地よい毎日を送れるように、そして長年に渡って飽きずに住めるように、シンプルでありながら使い勝手の良い設計デザインとなっています。
家の顔となる玄関には土間を設けました。フロアには重厚感のある石調タイルを採用。タイルのつなぎ目がなく、壁の白と相まって、高級ショップのようなエントランスとなっています。
玄関扉の横には壁に自転車を壁掛け収納できるように、下地補強がされています。壁一面に収納棚を造り、大容量の収納を可能にしました。収納する物によって棚の位置を自由に変えることのできる可動棚です。広い玄関土間はトランクケースやスポーツ用品、キャンプ用品などを収納する場所としても有効活用できます。
玄関から入って正面すぐの場所に洗面所を造りました。家に帰ってきて、他のドアノブに触れることなく手洗いができる設計は、ここ最近、需要の高まっている仕様です。
防水性の高い木目の洗面台に、白の真四角な洗面ボウルが礼儀正しく配置されています。左右に余裕のある幅をとり、壁にも洗面下部にも沢山の収納場所を確保しました。生活感の出る物は鏡面収納に隠して収納できます。電気スイッチやコンセントは夜でも見やすくなるように、上部にブラケットライトを設置。手元を優しく照らします。
洗面背面にはブルーのヘキサゴンタイルを貼っています。個々のタイルに絶妙な色むらがあり、壁面に美しいアクセントを加えます。目地を白にすることで、タイルの色がより際立ち、全体的に輝くような清潔感をプラスします。
洗面ボウルの正面にあるタオルハンガーは真鍮製を採用。あえて塗装しない、真鍮の良さを生かした製品で、華奢でシンプルながらに存在感があります。真鍮素材は長く使用していくにつれて味のある風合いへと変化する、経年変化を楽しむことができる素材です。
約15畳ある大きなリビングダイニングです。フローリングには無垢材のオークを採用しました。コルク塗装を施すことにより褐色を纏い、温かみを感じる空間となりました。壁面の明るい色との対比も美しく、洗練された印象です。
天井はあえて躯体現しで無骨な印象に。天井を躯体のままにすることにより、作り込みすぎない、安らぎを感じる部屋となっています。コンクリートに敷かれた黒のライティングレールとスポットライトもスタイリッシュにマッチしています。
リビングダイニングの窓側にはワークスペースを作りました。PC用コンセントとLANポートも完備しています。2面から光が入る明るい場所で、外からの風を感じながら仕事ができるスペースです。
キッチンフロアには明るいグレーの石調タイルを採用。滑らかな質感が高級感のある空間を演出しています。キッチン部分の天井には白のクロスを貼り、全体を均一に照らすダウンライトを設置し、調理をする場所として十分な明るさを確保しています。
リビングダイニング側から見て正面にあたる壁には一面に長方形のモザイクタイルを採用しました。目地を白にすることにより、他の壁面とも違和感なくマッチしています。細い長方形が繊細で、全体を都会的な空間にまとめます。
生活感が出る物で溢れがちになるキッチンには、隠せる収納棚を充分に確保しました。冷蔵庫や家電製品のみならず、ウォーターサーバーやゴミ箱など、キッチンに設置したいものを予め考えて設計することで、実際の生活がスムーズにスタートできます。リビングから死角となる部分にはパントリーとして使える可動棚を設けました。全体的に明るい色でまとめた空間に、濃い木目のシステムキッチンが映え、重厚感と清潔感のあるキッチンとなっています。
メインベッドルームにはオープン収納を設けています。上部にカーテンレールを設置し、後からカーテンで仕切ることも可能です。オープンにすることで2面の窓から入る風を遮るものがなく、湿気がこもることもありません。取ることのできない梁を活用し、ベッドを置く位置と収納の位置をうまく分けて設計されています。
角部屋で窓の多い部屋を生かし、自然の光と風をより多く感じることのできる設計。天然素材のフローリングや真鍮金具など、経変変化を楽しめる素材の活用。年代や生活スタイルが変わっても飽きることの無い、清潔感と高級感を感じさせるデザイン。実際の生活を考えた設計により、ここで過ごす日々が贅沢で心地よい時間になるリノベーションです。