シンプルな生活空間のなかに、機能性を備えることで家事がはかどる暮らしを実現したリノベーションをご紹介いたします。
まずはキッチンです。
独立型となっていることから、料理中にも集中して取り組める環境が整っています。というのも、独立型キッチンは料理をするだけの空間であり、使い勝手のよい動線を自由に構築できることが強みとなるためです。
今回のケースでも、コンロとシンク、そして冷蔵庫を結ぶワークトライアングルの距離が短く設計されており、効率も高まって料理がはかどるでしょう。
キッチンは壁付けのIタイプです。扉カラーには質感のある木目調を採用し、温もりと落ち着きを演出しています。光沢のある白色のキッチンパネルとも美しく調和し、インテリアとしても楽しめます。
キッチンに隣接しているのはインナーバルコニー。インナーバルコニーは、雨を気にすることなく好みのタイミングで洗濯物を干せることが魅力です。また使い方は部屋干しだけでなく、子供の遊び場として、あるいは休憩場所としてなどさまざまな用途で活用できます。
面積の大きな掃き出し窓からは、たっぷりと光を採り込み、明るく快適な空間づくりに寄与しています。また、出入り口に建具を設けないことで、洗濯のときでも出入りが楽になり家事効率を高めます。
部屋干しの弱点となるのは、やはり湿気がこもるということ。
室内に湿気がこもるのは、空気が動かないことが大きな原因です。このような環境は、洗濯物が乾きにくいだけでなくカビの発生やイヤな臭いにもつながります。
そこで、キッチンとの間仕切りの天井下部分を開放することで、空気の循環を促し洗濯物が乾燥しやすい機能を付加しています。
またキッチン側では、インナーバルコニーからの自然な明かりが差し込むため、省エネ効果にも期待できます。
リビングダイニングの天井は、躯体面へ直にクロス仕上げとし、広々と開放的な室内へと変貌。また、通常は天井裏に隠れるダクトも塗装仕上げとして見せることで、アクセントとなって機能します。
さらに、大きなガラスをはめ込んだ開き戸は奥行きを感じさせ、空間の広がりを演出しています。
リビングダイニングからは、クローゼットルームと一体となった寝室へとつながります。黒のアクセントクロスが空間を引き締め、おしゃれで上質な空間となりました。
クローゼットルームは棚板とハンガーパイプを設置し、圧倒的な収納力を確保。
トイレは、白をベースとすることで全体的に明るくなり、シンプルさのなかに清潔感が漂っています。タオルバーやペーパーホルダーなどのアクセサリーも美しいシルバーで統一し、洗練された癒しの空間となりました。
比較的シンプルな間取りのなかに家事がはかどる機能を付加することで、生活の質を高めるリノベーションとなりました。