リノベーションの選択肢は無限大。全てを改築するフルリノベーションもあれば、変更したい箇所のみを改築する部分リノベーションもあります。今回は使える設備はそのまま残し、ライフスタイルや趣向に合わせて全体を一新しました。
まずは玄関から。フロアタイルを艶のある小石デザインだったものから、艶消しの石調タイルへ変更しました。艶の無いものに変更するだけで、今っぽいデザインになります。
玄関入って左側にあったベンチと小さな収納は取り払い、広々としたエントランスホールになりました。
右側にあるシューズクローゼットは、元々扉で仕切られていたところを、扉を撤去しオープンなシューズクローゼットへ。クロスを少し落ち着いた色味に変更することにより、オープンでありながらも使用用途の異なる空間であることが一目瞭然となっています。クローゼット内の棚は既存の物をそのまま使っています。
正面の壁にもアクセントクロスを使用しました。元々あったカウンター台を生かし、インテリア小物を飾る場所として活躍しそうです。玄関を開けて正面、最初に目に入る場所が一層華やかな壁面となりました。
こちらは大きくオープンになったLDK+洋室です。もともと和室だった部屋にタイルを敷き、間仕切りとなっていた襖を取り払い、オープンな洋室へと変更しました。間仕切りが無くてもフロア材質が異なることにより、視覚的に分かりやすくゾーニングを実現しました。
畳と押し入れを取り外し、畳の厚みに合わせてタイルを敷いています。壁は全体的に色を合わせてグレーで統一し、清潔感があり洗練されたお部屋となりました。
フロアには石調のタイルを採用しています。ワークスペースとしての落ち着きがあり、淡い色が自然光に照らされ、清潔感と優しさも同時に感じます。
洋室の中には新しく収納を新設しました。扉を設けているので、生活感の出てしまいがちなものを隠して収納することが可能です。
扉は木製のルーバータイプを採用。目隠しをしつつも風を通し、収納の中に湿気が籠る心配もありません。グレーでまとめた部屋の中で白い扉がナチュラルにマッチしていて、爽やかに演出します。
キッチン設備は扉のシートを張り替え、既存のものをそのまま使用しています。もともとキッチンは壁に仕切られ独立したスペースだったものを、壁の上部を解体し、LDK、洋室と一体化した空間とすることで、より広く感じます。
キッチン背面には新しく収納棚を設置しました。アクセントクロスと木目の収納棚で、大人の落ち着きを感じる空間となりました。カフェの様なデザインです。収納もたっぷり、キッチン家電を置くスペースも同時に確保しました。
リビング側にはテレビ台と収納棚を新設しました。コンセントが煩雑にならない様、台の高さに合わせてコンセントプレートを配置。グレーの部屋に白い台が映えています。両側の収納棚で使われている部分的な黒が良いアクセントとなり、淡い色で統一された部屋の中で空間を引き締めます。
洗面台も既存のものをそのまま使っています。その横にある洗濯機置き場は壁面にアクセントクロスを貼り、上部に棚を設置しました。何かと生活用品が溢れる洗濯機周辺に棚ができたことで、すっきりと収納することが可能となりました。一面のみアクセントクロスを使うことで、空間に濃淡が生まれ、ぼんやりとしていた場所が一気にまとまりのある空間になりました。
トイレ、浴室なども基本的に既存のものをそのまま使っています。既存の設備をそのまま残しつつも、クロスで遊びを加えたり、新しい収納棚を設置することにより、空間全体として生まれ変わります。収納棚は部屋の中でも大きな常設家具として特に存在感があり、材質や色の選択によって空間に与える影響が大きいです。リノベーションをする中で、ゼロから全てを新しくするという選択肢もありながら、使える物は残し、コストを抑えながら自分らしさを作り上げるという選択肢。今の時代に合ったリノベーションの一つと言えるのかもしれません。