ワークスペースを生活動線と切り離し、さらに快適性を追求することにより、集中して仕事に取り組める環境づくりを実現したリノベーションをご紹介いたします。
まずは、ワークスペースです。もともとあった洋室を、独立したワークスペースとしてつくり変えています。
窓際にデスクワーク用の棚板を造作することで、日中は自然の光が注ぎ込み、明るいスペースとなりました。窓には、内窓を設置し、二重窓としています。室内の断熱性能を高めるには、窓の断熱強化が効果的です。というのも、建物のなかで最も熱損失が多いのは窓などの開口部であり、この部分を強化するだけで優れた断熱性能が期待できます。
二重窓の設置は、動かない空気層を中間に設けることにより、熱移動を抑制して外部温度の影響を受けにくくする、断熱強化にはきわめて有効な方法です。
ワークスペースは、個室の「プライベートゾーン」としています。LDKや浴室、トイレのような「パブリックゾーン」を利用するときの動線と切り離して設置していることで、干渉が生じません。そのため、仕事を集中して行える環境となりました。
ワークスペースに隣接するのは、大容量を確保した書庫になります。可動棚となっているため、さらに棚板を増設して収納量を増やせることも魅力です。
書庫は、ウォークスルータイプとなっており、ワークスペース前の廊下側、そしてLDK側の双方から通り抜けられるようになっています。この自由度の高い動線も、生活を快適にするポイントです。
書庫の前面に設置している間仕切り壁を挟んだ位置には、ファミリークローゼットを用意しています。棚板とハンガーパイプのシンプルな形状ですが、収納力は抜群です。
また、天井下部分を開放することで空気の流動性が高まり、湿気がこもりにくくなっています。
LDKは、広々と開放的な大空間。天井や壁のホワイトと、建具や床のダークブラウンが、コントラストとなってメリハリが効いています。
LDKの窓も二重窓としていることで、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくくなります。室内温度の安定化は、家族の「住み心地」を決める、きわめて重要な要素です。
LDKの間仕切り壁の一角には、愛猫のための動線もしっかりと確保。
トイレも、ホワイトとダークブラウンでまとめ、すっきりとして、清潔感が漂います。壁掛けタイプの便器を床面から浮いた状態で設置しているため、掃除がしやすく、いつもきれいに保てます。
ワークスペースとパブリックゾーンの動線を切り離し、さらに快適性を高める機能を付加することで、優れた住み心地と仕事がはかどる空間づくりを実現したリノベーションの完成です。