3LDKから2LDKへ変更し、大人の落ち着く空間を作り上げました。毎日生活する上で、実用的でありながらオシャレ感を保つ工夫が設計されたリノベーションです。
こちらは玄関です。もともと狭かった玄関を縦横共に大幅に拡張しました。フロアはモルタルを金ゴテで仕上げました。自然な色むらが美しく、シームレスで重厚感のあるエントランスとなっています。入って右側には大型のシューズクローゼットを設け、大量の靴もスッキリと隠して収納することが可能です。入って左側にあったトイレのスペースを移動し、玄関からそのまま繋げて土間スペースを作りました。
玄関から同じフロアで繋がる土間スペースは趣味や生活スタイルによって使用用途が多様です。ベビーカーを置いたり、スーツケースを置いたり。また、キャンプ用品や自転車、サーフィンボード、スノーボードなど、外で使用するものを気兼ねなく収納する場所として活躍する空間です。可動棚を設置し、壁も収納場所として効率的に活用できます。土間への入り口には天井にアイアンバーを設けています。カーテンを設置して雑多となった時に生活感を隠すこともできる仕様としました。
玄関からリビングへまっすぐと伸びる廊下は外気の通る道となります。ベランダと玄関を少し開ければ換気ができ、快適な室内空間を維持することができます。
室内のメイン扉となるリビング入り口の扉は造作で制作しました。天然の木で作られた扉は自然の温もりを感じ、居住空間との間仕切り扉として存在感があります。大きく取った開口部には曇りガラスを入れることにより、玄関からの視界を遮りつつも光を取り込むことができる造りとなっています。
扉の取っ手は黒のアイアン素材で丸く小さなものを採用しました。木との相性が良く、重厚感のある扉にかわいらしい印象をプラスしています。
もともとあった和室を繋げ、大きな空間となったLDKです。フローリングには天然のオーク材を使用しています。自然が生み出す無限の色味、浮き上がる木目、ランダムな模様が心に安らぎを与えます。壁はクロスではなくハイモルという、軽量モルタルで仕上げました。こちらも左官作業ならではの色むらが無骨でカッコよく、ハイグレードな空間を感じさせます。
キッチン壁面、カウンター台腰壁には全面に深い青みのタイルを採用しました。単一的ではなく、様々な色が合わさった青で構成されたタイルが、それぞれピッタリと並べられた壁は爽快な美しさの中に格調高い凛々しさがあります。タイル目地を白にすることで、一つ一つのタイルが際立ち、美しく整頓された印象となっています。
カウンター台の半分は椅子を置きテーブルとしても使える設計となっているため、バーカウンターの様な使い方もできます。
造作カウンターのキッチン側は稼働棚を設けたオープン収納、ゴミ箱置き場となっています。システムキッチンも木目をセレクトし、造作カウンターとも違和感なく共存しています。キッチン奥の冷蔵庫置き場にも壁を設け、生活感を排除。
冷蔵庫対面には壁一面に可動棚を設置し、便利なパントリーとなりました。乾物や缶詰など、長期保存ができる食材を保管するスペースとして活躍します。
カウンター台上部、シンク上部にはオープン吊棚を設けました。グラスハンガーも備えています。アイアンバーと木の板で構成された吊棚は、スタイリッシュな見せる収納です。左官仕上げの無骨な壁とも相性良く、より都会的な印象を与えます。
カウンター上部には電球むき出しタイプのペンダントライトを設置しました。こちらの照明も壁やアイアン棚との相性抜群でカッコいい大人空間を演出します。
レストランのオープンキッチンの様になりました。見せる物は見せて収納、どうしても生活感の出てしまうものは扉や壁のある場所に隠して収納。両面を持ち合わせることにより、簡単に清潔感とオシャレ感を保つことができます。
LDKと隣接する洋室は室内窓を設置しました。外からの光と同時に、LDKからも光を取り入れ、明るい部屋となりました。クリアガラスを入れることで、音は適度に遮断されながら、視覚的にLDKとの繋がりを感じることができます。別の部屋でありながら、LDKにいる家族との繋がりを感じ、安心して自分の作業に集中することができる空間となりました。
メインの居住スペースは天然素材のフローリングと軽量モルタルの壁によって構成し、大人の本物志向を追求したデザイン。造作部分にはアイアン素材と木目を織り交ぜ、無骨でカッコいい、心落ち着く空間設計となりました。収納は見せる部分と隠す部分を両方適度に用いることにより、生活感を排除できる工夫がされています。光をなるべく室内まで届くように大きな開口部を設計し、同時に外からの視線を遮るアイディア。実用的でありながらデザイン性が高いリノベーションとなりました。