注文住宅を建てる上で、最も気になるのは予算のことでしょう。
理想の住まいの姿を100％イメージできたとしても、資金がなければ家は建てられません。
そこで家づくりを始める前に、注文住宅の建築費用を大まかに把握し、それから予算を組み立てていきましょう。
この記事では、注文住宅のメリットとデメリット、費用内訳と予算別の実例について紹介していきます。
理想のマイホームを実現しませんか？
注文住宅とは
土地を購入する、または自己所有地を活用し、オーダーメイドで建てる一戸建て住宅が注文住宅です。
注文住宅といえば1から10まで自由設計ができるフルオーダーのみを連想する方が少なくありませんが、
あらかじめ間取りや設備などの基本仕様が用意されており、そこから好きな仕様を選んでいくセミオーダーも含まれます。
セミオーダーの代表的な特徴は、間取りが数パターン用意されていることです。
外壁のカラーやクロス、床などを指定できる場合もあります。
ほかにもキッチンや洗面所・トイレ・お風呂などを、施工会社指定の住宅設備機器メーカーの設備から選べるなど、施工会社によって条件が異なります。
このようにセミオーダーには制約がありますが、選べる選択肢は依頼する施工会社によって千差万別です。
例えば、1つのメーカーから選ぶよりも、3つのメーカーから選ぶほうが自由度の高い家づくりを実現しやすいです。
セミオーダー住宅を建てる方は、間取りや設備などの基本仕様の選択肢がどの程度用意されているか確認しておきましょう。
注文住宅の種類
注文住宅といえば、ゼロから設計して建てる住宅と考える方が多いですが、2つの種類があります。
ゼロから完成まで、本当の意味で自由施工ができるのがフルオーダー住宅です。
これに対してセミオーダー住宅は、施工会社が用意したパターンやスタイルの中から、依頼者が選択・指定していく住宅です。
言うなれば建売住宅とフルオーダー住宅の中間的な位置付けにあります。
この中で最も優れているのはフルオーダー住宅だと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
セミオーダー住宅のほうが建築費用を安く抑えられますし、依頼者に住宅知識がなくても家づくりをしやすいメリットがあります。
また、建築会社側も手間と時間を要するフルオーダー住宅を敬遠する傾向が強く、多くの依頼者がセミオーダー住宅を選んでいる現実があります。
◉ セミオーダー住宅
フルオーダー
フルオーダーは家づくりにおいて木材や断熱材、窓などの選択に至るまで、すべてにおいて依頼者が指定する住宅です。
理想の住空間を実現したい、世界に一軒しかない住宅に仕上げたい、といった方にはフルオーダー以外の選択肢はないでしょう。
フルオーダー仕様ならば、洗面所のメーカーや家庭用エレベーターの設置なども自由自在です。
そのため、家づくりに十分な時間をかけられ、住宅資金にも糸目を付けないという方であればフルオーダーがおすすめです。
その一方でフルオーダーにはデメリットもあります。
依頼者に十分な住宅知識が備わっていない場合、想定外の結果を招くことが少なくありません。
例えば、眺望にこだわりFIX窓を導入したものの、あとから窓を開けて換気できないことに気付いて後悔するなどです。
また、フルオーダーは建築過程が複雑で、圧倒的な手間と時間がかかる点も考慮する必要があります。
セミオーダー
基本的な住宅仕様が用意されており、そこから依頼者が選んでいくのがセミオーダーです。
屋根や外壁、お風呂や洗面所などの仕様がすでに決まっており、それらの選択肢から依頼者が指定していきます。
施工会社が用意する仕様はメジャーなものが多く、その中から選ぶため大きくハズれることはまずないでしょう。
セミオーダーの最大の魅力は、住宅知識の有無にかかわらず理想に近い家づくりができることです。
またフルオーダーと比べて建築費用が安く、限られた予算で建てられるとあって、セミオーダーを選択する方が少なくありません。
建築会社側から見ても、フルオーダーは気の遠くなるような手間がかかることから、敬遠する傾向があります。
こうした理由から、一般的に注文住宅といえばセミオーダー住宅を指していると考えていいでしょう。
注文住宅の3つのメリット
注文住宅には3つのメリットがあります。
人生において最も高額な買い物は、家という方がほとんどでしょう。
いざ建ててから失敗に気付いても、リフォームをして不具合を解消することは可能ですが、想定外の出費が発生します。
だからこそ家づくりは一度で成功させる必要があります。
注文住宅の主なメリットは、予算の範囲内で施主が自由に設計し、現場作業を自分の目で確認できることです。
また、住宅完成までのイメージやシミュレーションがしやすいこともあり、理想の家づくりをしたい方から人気があります。
以下で3つのメリットについて詳しく説明します。
◉ 建築現場の確認作業ができる
◉ 予算に合わせて住宅を建てられる
1. 自由度が高い
建売の場合は完成している住宅の中から、少しでも理想に近い住宅を探していくしかありません。
それゆえ多かれ少なかれ、必ずどこかで妥協が必要になります。
これに対して注文住宅は、部屋は居住人数＋1部屋、廊下は広めに設計したい、シンプルな生活動線を実現したいというように外観も間取りも自由に決められます。
セミオーダーであっても、外壁の色や洗面所のグレード、窓ガラスの種類などが他の住宅とすべて一致することはほとんどありません。
確かに希望やこだわりポイントが増えれば、それに比例して建築費用は大きくなりますが、そこは優先順位の低い条件を除外するなどの工夫をすればクリアできるでしょう。
つまり注文住宅ならば、フルオーダーでなくとも世界にひとつしかない住宅を実現できます。
こうしたオンリーワンの住宅は、所有欲が高くなりやすい側面もあります。
2. 建築現場の確認作業ができる
自分の家がどのようにして完成するのか、この目で確認したいという方は少なくありません。
現場を訪れるたびに立派に変化していく建物を見て、感慨にふけることができるのは注文住宅の魅力のひとつです。
実際に建売住宅だと建築過程の確認ができないという理由で、注文住宅を選ぶ方もいるほどです。
また、注文住宅はいつでも施主が現場を見学できるため、施工会社が手抜きをしにくい側面があります。
これは悪徳業者からすればデメリットでしょうが、健全な施工会社にとってはモチベーションの向上につながります。
自分たちのよい仕事ぶりを、施主に見てもらえる機会となるからです。
さらに注文住宅の場合、第三者機関による確認制度を導入する場合があります。
そのため、建売住宅と比べて欠陥が生じにくいという現実があります。
これが家づくりで後悔したくない方こそ、注文住宅を選択するべきだと言われる理由です。
3. 予算に合わせて住宅を建てられる
注文住宅を建てるとなれば、建売住宅よりコストがかかります。
しかし極端に高額になるわけではなく、実際に建てた方からは「建売住宅より少し高いくらいの予算で建てられた」という声が少なからず寄せられています。
ではなぜ安く建てられるのでしょうか。
その理由は、こだわりたい部分は徹底的にこだわりつつも、こだわりのない部分の予算は削れるからです。
例えば「水回りの設備は充実させる一方で、壁紙や床材は安価なグレードでかまわない」などと、メリハリをつけた家づくりができます。
家づくりで大切なのは、どこで妥協するかです。
すべての希望を実現しようと思えば、予算を大幅にオーバーすることでしょう。
そこで予算内で家づくりをするために、希望条件にそれぞれ優先順位をつけてみてください。
順位の低い条件は、除外またはグレードを下げていけば、コストダウンが可能になります。
注文住宅の3つのデメリット
メリットばかりに光が当たる注文住宅ですが、良いこと尽くめではありません。
例えば、次のようなデメリットがあります。
家づくりを始める前にこれらのデメリットを認識し、メリットとともに天秤にかけてみる必要があるでしょう。
以下で3つのデメリットについて詳しく説明します。
2. 契約までの行程が複雑
3. 完成形をイメージしにくい
1. 入居までの期間が長い
建売住宅であれば、契約後ひと月ほどで入居できます。
すでに住宅は出来上がっているので、あとは売買契約や住宅ローンの手続きなどを行えばOKです。
これに対して注文住宅は、面談や契約などに時間がかかり、契約に至るまで短くとも1ヶ月、長ければ2ヶ月かかります。
未完成の状態から建築していくため、時間がかかるのは当然です。
建物の基本構造が完成する状態を指す上棟からも、さらに90日ほどかかります。
骨組み作業が終わっても、まだ屋根や外壁、断熱材などを設置する大仕事が残っています。
床や窓、電気工事なども行われるため、少なくとも上棟から完成までに45日はかかると考えていいでしょう。
さらに注文住宅は、家を建てる前に土地を用意する必要があります。
ここで難航すれば半年経過しても、建築作業に取り掛かれません。
特に大都市の中心部では、土地探しで苦労する傾向が強いです。
2. 契約までの行程が複雑
土地がなければ家を建てることはできません。
建売住宅は土地と住宅がセットになっていますが、注文住宅の場合は土地を所有する施主を除いて、土地取得の手続きが待っています。
例えば、仲介手数料や印紙代、登記費用などの支払いがあり、測量が行われていない土地においては、測量費用が発生する可能性もあるでしょう。
家づくりといえば、建物を建てることだけに目が行きがちですが、実は土地取得の工程が複雑です。
また施工会社と何度も打ち合わせをして、細部の仕様まで詰めていく必要があるなど、膨大な時間と手間を要します。
特にフルオーダー住宅は、依頼主はもちろん施工会社も何かと大変です。
こうした事情もあり、注文住宅の中でもセミオーダー住宅に注目が集まっています。
3. 完成形をイメージしにくい
屋根や外壁の塗り替えをした方から、よく聞かれるのが「施工前と完成後のイメージが違う」という声です。
屋根や外壁という住宅の一部分ですら、完成形のイメージがしにくい現実があります。
それが注文住宅の建築となれば、さらにイメージが難しいのは間違いありません。
その最大の理由は、建売住宅と違って実物が目の前に存在しないことです。
イメージと実物のギャップを埋めるためには、パースを作ってもらうのがおすすめです。
これは住宅の透視図のことで、完成予想図と言えばわかりやすいでしょう。
外観や室内を立体画像で見ることができるため、生活シーンをイメージしやすくなります。
住宅模型と比べると形状の表現は難しいものの、色合いや間取りなどをイメージするには最適です。
図面や口頭による説明だけで、完成形のイメージをするのは施工会社でも容易ではありません。
だからこそ立体的かつカラー画像でイメージをつかめるパースが注目されています。
注文住宅の建設にかかる費用内訳
注文住宅の建設には、土地代・建設費・諸経費という3つの費用がかかります。
これらの総費用を把握しておくことで、予算オーバーや住宅ローンからの借りすぎを防げるでしょう。
理想の住まいを手に入れても、住宅ローンの支払いに追われるようでは快適な暮らしとは言えません。
だからこそ建設後の生活のことも考えた家づくりをすることが大切です。
以下で、3つの費用の内訳について説明します。
◉ 建設費
◉ 諸経費
土地代
家づくりにおいては、住宅建設と土地取得をセットで考える必要があります。
土地代は地域によって大きく異なり、例えば東京都心では建物の建設費用よりも、土地代のほうがはるかに高くなるケースが少なくありません。
所有地に家を建てる場合は土地代が不要ですが、例外がある点は覚えておきましょう。
例えば軟弱地盤に家を建てる場合、液状化による地盤沈下のリスクがあります。
土地が弱いと住宅も弱くなるため、大地震に備えて対策をしなくてはいけません。
地盤を調べるためには地質調査が必要です。
さらに地盤改良が必要になれば、そのための費用もかかります。
建設費
注文住宅を建てるための費用が建設費です。
これには仮設工事や基礎工事・木工事のほか、内外装や設備設置工事などが含まれています。
一般的には家づくりの費用の中で建設費が最も高額になりますが、地価が高いエリアでは逆転現象が起こることが少なくありません。
実際の建設費は施工会社が決めるため、依頼する業者によって金額が変わります。
建設費の相場はあくまで平均値のため、参考程度に考えておきましょう。
ただ一般的な相場を見れば工務店が最も安く、ハウスメーカーと設計事務所はやや高くなっています。
諸経費
家づくりの予算をシミュレーションするときは、諸経費も計算に入れましょう。
例えば、土地を購入する場合は印紙税や不動産取得税などの税金が発生します。
土地の所有権移転登記をする際には、登録免許税が発生します。
登記は自分で行えますが、司法書士に依頼する場合は追加で3〜5万円ほどかかると考えてください。
注文住宅の予算の決め方
注文住宅の予算を決める前に、住宅に対する重視ポイントを明確にしておきましょう。
例えば、立地条件を優先したいなら土地、居住空間を重視したいなら建物に重点を置いてください。
もちろん予算に余裕があるなら、土地と建物の両方にこだわるのもありです。
逆に予算をできるだけ削りたい方は、優先順位を明確に定めておく必要があります。
外装と内装の両方にこだわりたい、おしゃれを追求したいという場合は、3000万円以上の予算を確保しておきましょう。
資金が不足するようならば、地価の少し安いエリアを選ぶなどして調整してください。
駅チカといった好アクセスの立地を選ぶなら、あまり建物にお金はかけられません。
そこで予算を抑えるために、住宅設計やデザインをシンプルにするなどの工夫をしましょう。
そうすれば2000万円以下でも建てることが可能です。
安さを最重要ポイントにする場合は、2000万円以下で予算設定をしてみましょう。
予算を抑えるためには、住宅の形状をシンプルにする、なるべく壁を減らす、水回りを一か所に集中させるなどの方法があります。
注文住宅の予算別の特徴と実例
注文住宅を建てる前に、予算内でどのような家を建てられるのか把握しておく必要があります。
予算がオーバーしそうな場合は、優先順位の低い条件を削るなどして対処しましょう。
注文住宅のポピュラーな価格帯は次のとおりです。
予算は多ければ多いほど、理想に近い家づくりができるのは間違いありませんが、予算が少なくとも工夫次第で満足できる家づくりは可能です。
次の項目で予算別の特徴と実例について紹介します。
≫≫ 新築住宅の価格推移と今後の動向を徹底解説！いつまで価格高騰が続くのか？
◉ 2000万円台の注文住宅
◉ 3000万円台の注文住宅
1000万円台の注文住宅
1000万円台の注文住宅はシンプルな形状になるでしょう。
凹凸が少ない正方形や長方形などの形状になるのが一般的で、これは形状がシンプルであるほど外壁の表面積を抑え、コストも削減できるからです。
外壁にはレンガやタイルなどを使用せず、すっきりとしたスタイリッシュな外観になります。
屋根もコストを抑えられる片流れ屋根が導入されることが多いです。
住宅の設備は最低限の性能に限られ、高性能・高機能な設備は導入できません。
床暖房や浴室乾燥機がほしい方だと、もう少し予算を増やしたいところです。
このように1000万円台の注文住宅の機能や性能は価格相応ですが、安価であるがゆえに施工が比較的早めに完了するというメリットもあります。
1000万円台の注文住宅は、立地重視の方、コストを抑えたい方などにおすすめの価格帯です。
1000万円台の注文住宅の事例
| 特徴 | ファミリーに適した平屋、または外観がシンプルな二階建て。 |
|---|---|
| 部屋数 | 2LDK～4LDK |
| 居住人数 | 1～4人 |
| 向いている方 |
|
2000万円台の注文住宅
1000万円台の注文住宅だと予算に縛られて理想の家づくりは難しいですが、2000万円台になるとぐっと自由度が高くなります。
例えば、こだわりを取り入れたり、設備のグレードを上げたりできるでしょう。
バルコニーを設置する、窓を増やして風通しをよくするなど、外観にこだわったり機能性を高めたりすることも可能です。
2000万円台の注文住宅は、立地も大切だけど建物にもこだわりたい方に向いています。
2000万円台の注文住宅の事例
| 特徴 |
|
|---|---|
| 部屋数 | 2LDK～5LDK |
| 居住人数 | 3～5人 |
| 向いている方 |
|
3000万円台の注文住宅
3000万円台の予算があれば、並以上の家を建てられるでしょう。
設備や内装・外装などにこだわっても、予算内に収まることが多いです。
例えば、床暖房や高機能フローリングの導入、防犯設備の設置などが行えます。
3000万円台の注文住宅は、土地や住宅のデザイン、さらに住み心地のすべてに妥協したくない方におすすめです。
3000万円台の注文住宅の事例
| 特徴 |
|
|---|---|
| 部屋数 | 3LDK～6LDK |
| 居住人数 | 4～7人 |
| 向いている方 |
|
中古物件購入＋リノベーションも検討する
並のレベルの新築であっても、建てるとなれば3000万円台の費用がかかります。
そこで理想の住環境を叶えるために、中古物件を購入してリノベーションをする方法も考えてみましょう。
より多くの希望を叶えつつ、コストを削減できます。
≫≫【2025年最新】リノベーション会社が手掛けるおしゃれな事例13選を紹介
◉ 中古物件購入＋リノベーションならリノデュースがおすすめ
戸建てリノベの事例
壁紙や床材を張り替えることで、部屋全体を明るく演出できます。
キッチンリノベをすれば収納効率を高め、またキッチンがインテリアの一部として機能し、室内に一体感が生まれるでしょう。
照明を変えるだけでも、おしゃれな空間を演出できます。
居住スペースの広さが同じであっても、リノベ後は視覚的な開放感が生まれ、さらに採光性を高めた健康的な居住空間が実現します。
中古物件購入＋リノベーションならリノデュースがおすすめ
リノデュースのリノベは、オペレーションの内製化を導入することで仲介手数料を無料にしました。
また、仲介業者を介さない職人による直接発注システムにより、徹底した中間マージンとコストカットを実現しています。
それにより支払い総額を抑えられるため、施主様はより多くの希望を叶えられるはずです。
さらにリノデュースは物件探しから購入、施工までワンストップで対応し、自社のみで完結するので工事の流れもスムーズです。
もちろん品質にも自信があり、家づくりを極めた職人がすべて対応できます。
理想のマイホームを実現しませんか？
注文住宅のまとめ
注文住宅で後悔しないためには、まずは家づくりにおける優先順位を明確にしましょう。
それから予算と相談しながら、妥協点を見つけていくことが重要です。
コストを抑えながら理想を追求したい方は、中古戸建てを購入してリノベすることも考えてみましょう。
リノデュースなら仲介手数料無料のため、安く中古物件を購入できます。
さらに自社完結のワンストップサービスにより、物件探しからリノベまでまとめてサポートしてくれます。
