リノベーションとは、「刷新・手を加える」という意味です。
建築業界では間取りの変更や増改築など、資産価値を高めたマンションを「リノベーションマンション」と呼びます。
リノベーションマンションの多くは築年数が長い建物が多く、購入の際には地震に対する耐性も気になるところ。
そもそも、どのような地震対策をしているのでしょうか?
今回は、リノベーションマンションの地震対策や確認方法について詳しく解説していきます。
ぜひ最後までお読み頂き、参考にして頂ければ幸いです。
≫≫ リノベーションとリフォームの違いとは?メリット・デメリットから費用相場まで解説
【リノベーションマンション】地震に対する安全性
リノベーションマンションで気になるのは、地震に対する安全性ではないでしょうか?
建物の耐震性は日々の生活で大切な要素です。
この章では、マンションの耐震性の安全について紹介していきます。
- マンションの安全性
- – マンションはもともと地震に強い
– 築年数と耐震性は比例しない
マンションはもともと地震に強い
日本のマンションはもともと地震に強い造りになっています。
また、集合住宅の多くはRC造(鉄筋コンクリート造)です。
RC造とは、床や壁・柱などが鉄筋とコンクリートで造られており、お互いの強みを活かして建物の強度を高めています。
- コンクリート→圧縮や熱に強い/引っぱりや曲がる力に弱い
- 鉄筋→引っぱりや曲がる力に強い/圧縮や熱に弱い
築30〜40年のマンションは寿命が近づいているようなイメージがありますが、RC造の寿命は最大で117年と長期間利用できます。(※メンテナンスができている場合の想定耐用年数)
マンションの寿命に関しては、国土交通省のまとめたマンションの寿命に関する資料に記載されています。
さらに、不動産データを扱う「東京カンテイ」では、東日本大震災に関するマンションの被害状況データによると、地震により倒壊被害が出たマンションは、ほぼなかったというデータが出ています。※東日本大震災 宮城県マンション被害状況報告
上記のことから、日本の集合住宅物件は地震に強く、寿命も長いことが分かります。
築年数と耐震性は比例しない
マンションの築年数と耐震性は必ずしも比例するとは限りません。
建物の耐震性は「旧耐震基準」と「新耐震基準」により分けることができます。
- 旧耐震基準→震度5程度の地震で建物が倒壊や損壊をしない
- 新耐震基準→震度6強〜7程度の地震で建物の倒壊や損壊をしない
1981年以前に建築確認されている建物のほとんどが旧耐震基準、1981年以降に建築確認されている建物はすべて新耐震基準をもとに建設されています。
旧耐震基準で建築されたマンションの方が耐震性に問題があるようにも思えますが、必ずしも問題があるとは限りません。
実は、マンションが地震に耐えれるかどうかはマンション管理で左右されることが多いのです。
集合住宅では、長期運用を見据えて定期的な修繕工事や耐震補強を行ないます。
そのため1981年以前に建てられていたマンションでも管理が万全であれば、現在の耐震基準を満たしていることも多いのです。
築年数の浅い新築マンションでも、管理がずさんであれば耐震性が低くなる可能性があります。
日々のメンテナンスや修繕計画がマンションが地震に耐えれるかどうかや寿命に大きく影響するのです。
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地震対策されているリノベーションマンションの確認方法
リノベーションされた建物の多くは、地震対策も一緒に行われますが、いざ物件を購入するとなると、どの程度の地震対策をしているかは気になるものです。
ふたを開けてみたら、追加で工事費がかかった!ということもよく聞く話。
ここでは、地震対策が実施されている中古のマンションでの確認方法をご紹介します。
- 地震対策されたリノベーションマンションの確認方法
- – 耐震等級
– 補強工事履歴
– 長期修繕計画と資金管理
耐震等級
耐震等級とは、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づき制定された「住宅性能表示制度」の一部です。
耐震性を3つの段階に分けているため、建築に詳しくない方でも住宅の性能を確認することができます。
地震による倒壊・崩壊性能 | 地震による損傷性能 | |
耐震等級 1級 | 震度7程度の地震に対して倒壊・崩壊しない(マンションや住宅など) | 震度7程度の地震に対して損傷しにくい(マンションや住宅など) |
耐震等級 2級 | 震度7程度の1.25倍の地震に対して倒壊・崩壊しない(学校や病院など) | 震度7程度の1.25倍の地震に対して損傷しにくい(学校や病院など) |
耐震等級 3級 | 震度7程度の1.5倍の地震に対して倒壊・崩壊しない(警察署・消防署など) | 震度7程度の1.5倍の地震に対して損傷しにくい(警察署・消防署など) |
補強工事履歴
マンションでは補強工事の履歴を確認できます。
補強工事は1981年以降に制定された「新耐震基準」をもとに執行されますが、どのような補強がされたのかを確認しましょう。
また、住宅のローン控除は「新耐震基準」を満たしていることが条件となっています。
そのため、中古マンションを購入する際は耐震性が基準に満たしているかを確認しておきましょう。
長期修繕計画と資金管理
次は、長期修繕計画を確認しましょう。
修繕計画とはマンションの長期運営を目的とした定期的な修繕計画や実施状況のことです。
購入後の補修工事の予定時期や予測費用を把握することができます。
また計画的な修繕は購入物件の管理能力を測る指標にもなります。
定期的な計画の見直しや、修繕積立金の費用変動も大切なチェックポイントです。
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まとめ
この記事ではリノベーションマンションの地震対策や確認方法の解説をしました。
築年数の長いマンションでは、設備工事や内装のリノベーションと共に、地震対策も大切なことが分かりました。
現行の耐震基準に満たない場合、入居後に追加工事の費用がかかる可能性もあるため、購入を検討している物件では必ず確認が必要です。
安全性の高いリノベーションマンションの購入を検討しましょう。