住宅ローン控除(減税)期間はいつまで?借入限度額や申請期日もご紹介

住宅ローン控除(減税)期間はいつまで?借入限度額や申請期日もご紹介

マイホームを購入する際に一括で購入する人もいれば、ローンを組んで購入する方もいます。

その際に利用出来る「住居ローン減税」という減税制度があります。

しかし、誰もが使えるものではなく、利用する人の条件を満たす必要があるため、詳細を調べていく必要があります。

住居ローン減税とは正式名称「住居借り入れ金等特別控除」と呼びます。

マイホームを購入するための借り入れ金に対して、所得税(条件により住民税の一部)が減額・還付される制度です。

2022年(令和4年)税制の修訂によりシステムの一部が変更になりました。

しかし、内容が難しく正しく理解していない人や、そもそも仕組みを知らない人が多いと思います。

この記事では住居ローン減税に関する申請期間や借り入れに関する疑問にお応えしています。

※本記事は令和4年に行われた税制の修訂について2022年3月時点で更新されている情報をもとに執筆を行なっております。最新の情報につきましては税理士や税務署、もしくは国税庁のHPで最新の情報をご確認ください。

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住宅ローン控除の減税期間が税制改正で4年延長

住宅ローン控除(減税)期間はいつまで?

令和元年に執行された消費税増税による家計負担の軽減対策のひとつとして、住居ローン減税の減税期間が10年であったものに対して今回から13年に変更されました。

さらに、控除率が0.7%となり、借入出来る最大額などの変更も加えられています。

2022年(令和4年)に行われる税制の修訂で、家のローン控除の申請はどのように変わっていくのかチェックしていきましょう。

ここで詳しく紹介していきます。

住宅ローン控除の減税期間について
– 適用(施行)される期間が四年間に延びる
– 住居ローン減税の期間

住居ローン減税制度が期間が4年間に延長

今年(令和4年)で変わった内容は、国土交通省の公式サイトで掲載しています。

ここでは以下のようにまとめてみました。

住居ローン減税制度まとめ

入居に係る適用(施行)される期間が4年間に伸ばされた(令和4年〜7年)
控除を行う際の割合は0.7%(修訂前は1%)
新築住宅等は原則13年、既存の住宅については10年
借り入れする際の限度額は家の環境性能によって変わる
2024年(令和6年)以降のに建築の確認を受ける新しい家は省エネ基準適合が必要
既存の家(中古住宅)の適用(施行)築年数が「新耐震基準適合住宅」に緩和(昭和57年以降に建てられた家)
新しい家の床面積の条件:令和5年以前の建てられた家の確認で40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円以下の人限定)
控除適用(施行)対象者の合計所得:2,000万円以下に緩和(令和三年度の税制の修訂で特別措置の適応を受ける人以外)

通常であれば、2021年で住居ローン減税は終了する予定でした。

なぜ住居ローン減税が延長が決定されたのか。

今回行われた住居ローン減税修訂案は、減税額を1%から0.7%に下げる方針になりました。

仮に40万円の控除を受けている場合、を1%から0.7%に減ることにより年間28万円も減ることになります。

10年の控除で年間28万円が減った場合、280万円も損してしまうことになります。

そのため、減税額は0.7%に減るものの、住居ローン減税の期間を延ばすことによって、全体的な控除額を減らさないという目的があります

住居ローン減税の期間

ローンの控除は「住居の種類」によって期間が決定されます。

  • 新築住宅又は買取して再販する中古の家:控除(減税)期間 13年(令和6年以降に入居の場合、省エネ基準が適応される事が必要)
  • 既存の家(中古住宅):控除(減税)期間 10年(省エネ基準に関わらず適用(施行))

新築物件や不動産会社で買取・再販された中古物件では、減税期間は13年。既存物件(中古物件)は10年です。

※既存物件(中古物件)とは売主が個人の場合。再販の中古物件は売主が不動産会社の場合。

新築や不動産会社によって再販された中古の家は、「省エネ(省エネルギー)基準適合住宅」に該当している必要があります。

移住開始時期〜 2014年3月 2014年4月〜 2021年12月 2019年10月〜 2022年12月
住居ローン減税期間控除期間:10年控除期間:13年
控除率1%
最大控除額2000万円×1%×10年=200万円4000万円×1%×10年=400万円【1〜10年】
4000万円×1%×10年=400万円
【11〜13年】
80万円
住民税からの控除最大額9.75万円/年(前年度課税所得×5%)13.65万円/年(前年度課税所得×7%)13.65万円/年(前年度課税所得×7%)
主な用件
  1. 床面積が50㎡以上であること
  2. 借入金に償還期間が10年以上であることなど

参照:すまい給付金(https://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/

省エネ(省エネルギー)基準適合住宅とは?

省エネ基準(省エネルギー基準)適合住宅とは、1980年に設定されたもので家のエネルギー消費に関しての目安です。

国土交通省では、家の窓や外壁などの「外皮性能」の断熱等級が4以上、冷暖房や換気・照明などの第一次エネルギー消費量等級が4以上の性能と認められた家が「省エネ(省エネルギー)基準適合住宅」と定めています。

家の窓や外壁の性能である「外皮性能」とは

外壁や天井から床や屋根などの、物件を囲っているすべての部分の性能のことを指します。

評価の基準としては、夏になると日差しが強くなりますが、この日差しに対して異常が出ていないかを確認する「外皮平均熱貫流率」

冬で気温が下がった際に家の中の温度が一定に保たれている状態を評価する「冷房期の平均日射熱取得率」の二つの評価基準があります。

冷暖房や換気・照明のエネルギー消費の「第一次エネルギー消費」とは

住宅で消費されているエネルギー量については、住宅内の家電や照明などで使用されているエネルギーを合計します

なぜ、全てのエネルギーを第一次エネルギー消費として統一するのか。

それは、エネルギーというのは電気、ガス、水道のようにエネルギーによって単位が異なります。

そのため、一次エネルギー消費量として単位を統一することで、その住宅のエネルギー量を合計するわけです。

その統一されたエネルギー量を合計した上で、国土交通省が定めている基準である「第一次エネルギー消費量」の基準値を超えないように一次エネルギー消費量は、あらかじめ決められた「基準一次エネルギー消費量」と呼ばれる基準値以下となることが求められます。

住居ローン減税の最大額と借入最大額

住宅ローン控除(減税)の上限額と借入限度額

ここでは、ローンの控除が出来る最大額と借入する時の最大額を紹介します。

税制の修訂により変わった箇所を中心にご紹介します。

住宅ローン控除について
– 家のローンの控除が出来る最大の金額は引き下げ
– 借り入れする際の最大額
– 借り入れ出来る限度額は環境に配慮しているかで変わる

家のローンの控除が出来る最大の金額は引き下げ

家のローン控除の利率は前が1%、修訂後は0.7%へ引き下げられています。

控除額は、住居ローンの残高×0.7%(控除する割合)で計算され、戻ってきます。

所得税で減額しきれない場合、住民税の一部で控除されます。

例えば、年末時点の住居ローン残高が2,000万円の場合、控除する割合に0.7%をかけた14万円が戻ってくる計算です。

【住宅ローン繰り上げ返済】タイミングやメリット・手数料を解説

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借り入れする際の最大額

住居ローン減税で借り入れする際の最大額は下記の通りになります。

  • 住宅の種類(新築の住宅・買取再販住宅/既存の住宅)
  • 入居をしたその年
  • 家の環境性能(省エネ(省エネルギー)基準適合住宅/ZEH水準省エネ(省エネルギー)住宅/省エネ(省エネルギー)基準適合住宅)

【新築・買取再販住宅】

住宅環境性能(建物の省エネ性)入居年:2022〜2023年入居年:2024〜2025年
省エネ基準適合住宅(住宅の省エネルギー基準)4,000万円3,000万円
ZEH水準省エネ住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)4,500万円3,500万円
長期優良住宅/低炭素住宅5,000万円4,500万円
上記以外の住宅3,000万円2,000万円※2023年(令和5年)までに新築建築が確認された時のみ

【既存の住宅(中古の住宅)】

住宅環境性能(建物の省エネ性)入居年:2022〜2025年
省エネ(省エネルギー)基準適合住宅3,000万円
ZEH水準省エネ住宅3,000万円
長期優良住宅/低炭素住宅3,000万円
上記以外の住宅2,000万円

借り入れ出来る限度額は環境に配慮しているかで変わる

家の環境性能とは、省エネや耐久性、緑化や快適性が高い住宅など、各自治体が設定している一定の基準よりも評価が高い住宅です。

借り入れ出来る限度の金額は家の環境性能に比例しています。

環境性能が高い住宅の代表的なものが以下の4つです。

  • 【省エネ(省エネルギー)基準適合住宅】
    断熱等級4以上・冷暖房や換気・照明などの第一次エネルギー消費量等級が4以上の性能と認められた住宅
  • 【ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅】(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略。
    断熱性の高さなど室内の質にの維持と再生可能エネルギーの導入で年間の第一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅
  • 【長期優良住宅】長期にわたり良好な状態で利用出来る優良な住宅
    行政庁に認定を受けた住宅のみ
  • 【低炭素住宅】二酸化炭素の排出をおさえるための対策が取られた住宅
    行政庁に認められた家のみ

住宅ローン控除の申請はいつまで?

住宅ローン控除の申請はいつまで?

ここでは家のローン控除の申請について紹介していきます。

家のローン控除の申請には確定(所得税)申告や年末調整がありますが、会社員や自営業(個人事業主)によって申請方法が変わるためぜひおさえておきましょう。

住宅ローン控除の申請について
– 初年度と次の年以降で変わる
– 申請する期限が過ぎた場合の対応方法

初年度と次の年以降で変わる

家のローン控除の申請は初年度と2年目以降で変わります。

また、自営業(個人事業主)・会社員によっても変わるので事前に確認しておくとスムーズです。

初年度は確定(所得税)申告の期日まで

家のローン控除の初年度は、入居した翌年の確定(所得税)申告で申請します。

企業で雇用されている会社員は、通常確定(所得税)申告の必要はありませんが、家のローンの控除を受ける際、確定(所得税)申告での申請が必要です。

確定(所得税)申告は毎年2月16日〜3月15日に行なわれます。(スパンが変更される事もあり)

申告には以下の書類の準備と提出が必要です。

・確定(所得税)申告書(会社員はA様式・自営業の方はB様式)
・(特定増改築等)住宅借り入れ金等特別控除額の計算明細書
・【原本】金融機関から交付されている住宅取得資金に係る借り入れ金の年末残高証明書
・【原本】住宅の登記事項証明書
・【写し】住宅の工事請負契約書又は売買契約書
・本人確認書類

土地の購入や補助金の交付を受けた場合には追加で以下の書類が必要です。

・【原本】土地の登記事項証明書
・【写し】土地の売買契約書
・補助金等の金額額を証明する書類
・【写し】贈与税の申告書など
・(住宅取得等資金の金額を証明する書類)

2年目以降は確定(所得税)申告・年末調整の期日

家のローン控除2年目以降は、毎年確定(所得税)申告を行なう自営業(個人事業主)は確定(所得税)申告までに、給与(給料)所得のみの会社員は年末調整で家のローン控除を受けられます。

一般的に年末調整の提出時期は毎年11月中旬〜12月中旬ごろです。

時期が近づいてきたらお勤め先の担当者へ確認をしましょう。

申請する期限が過ぎた場合の対応方法

確定(所得税)申告や年末調整で家のローン控除の申請を忘れてしまったなど、申告する期限が超えた場合、申告が可能な場合がありますので、事前に把握しておきましょう。

【自営業者(個人事業主)】

確定(所得税)申告でローン控除の申請をど忘れした場合、「更生の請求」が出来る場合があります。

更生の請求とは、申告の誤りで税金を多く支払ってしまった時の手続きとなります。

しかし、申告が認められるかは管轄の税務署によるため、申告漏れなどが判明した時は、税務署へ相談してみましょう。

【会社員】

給与のみの会社員は初年度に家のローン控除の申告を忘れてしまった場合、「還付申告」ができます。

還付申告は確定(所得税)申告の必要がない人が税金を多く払ってしまった場合の手続き方法です。

還付(返金)申告は住居ローン減税の対象となっている住居に入居した年度の次の年の1月1日から5年間の間であれば請求ができます。

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住宅ローン選びで失敗しないために
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住居ローン減税はどのように計算されるのか?

住宅ローン控除はどのように計算されるのか?

住居ローン減税で毎年控除出来る額は決まっています。

住居ローン減税の計算方法は実にシンプルで、年末時点の住居ローン減税の残っている金額に控除率である1%をかけて計算を行います。

仮に、年末の時点で2000万円の住居ローン残高がある場合は、その残りの金額に控除率である1%をかけて、20万円がその年に所得から控除できる金額になります。

20万円の控除はとても大きいですよね。

ただ、5000万円の住宅(住居)ローンの金額が残っている場合、50万円が控除されるというわけではありません。

住宅(住居)ローン控除には上限が定められています。

上限の金額は40万円までと設定されているため、仮に5000万円の住宅(住居)ローン残高が残っていたとしても、40万円が控除額になります。

ここはしっかりと覚えておきましょう。

住宅ローン控除で気おつけたいポイント2点

住宅ローン控除で気おつけたいポイント2点

基本的に今回の変更については、環境に配慮した住宅であれば優遇するといった内容になっています。

今後住宅を購入し、住宅ローン控除を考えている方は必ず条件を満たす必要があります、

そのため、今回の修訂を踏まえて下記二つのポイントを気を付けることをオススメします。

住宅ローン控除で気をつけるポイント
– 住宅に入居する日と環境に配慮しているかチェックする
– 住宅ローンを利用する際の年末調整は忘れないように

住宅に入居する日と環境に配慮しているかチェックする

今回の修訂で変わったポイントとして、入居する年度と環境に配慮しているかで控除額が変わっていきます。

そのため、建築期間を考慮に入れた上で入居日が決まっていくので、想定入居日と控除額を照らし合わせておきましょう。

ただ、建築期間などは物件によってもバラバラのため、まずは不動産会社やリノベーション会社の担当者に確認しておくことをオススメします。

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住宅ローンを利用する際の年末調整は忘れないように

住宅ローン控除を使用する場合、個人事業主の場合は確定(所得税)申告期間中に確定(所得税)申告で住宅ローン控除を申請し、お勤めして1年以上経っている会社員の方は年末調整で住宅ローン控除を申請する必要があります。

そのため、個人事業主の方は必ず確定(所得税)申告で申告を行いましょう。

お勤めをされている方の場合は、年末調整の期間の前である11月ごろに必要な書類を会社に提出しておきましょう。

まとめ

まとめ

この記事では家のローン控除(減額)の期間を紹介してきました。

住宅(住居)ローン控除とは、住宅購入に必要なローンに対して、家計への負担軽減と経済の活性化を目的として所得税(条件によっては住民税の一部)が還付される制度です。

住宅の購入を検討しているまたは購入した場合、住宅(住居)ローン控除制度は認知しておくべきです。

ぜひこの記事を参考にして頂き、住宅(住居)ローン控除を活用してください。

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    「リノデュース」は施工会社からスタートした会社です。
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