マンションの1階は物件価格が安く抑えられており、同予算ならば中・高層階の物件よりも立地がよく、設備の充実した部屋を選べます。
また、1階は階段の上り下りをする必要がなく、気軽に外に行けるメリットもあります。
それに対してデメリットは、湿気がひどくなりやすい、虫がよく侵入する、見晴らしがよくないなどです。
なかでも湿気による不快感や健康被害、カビ・ダニの発生などにデメリットを感じる方が多いです。
この記事では、マンション1階で快適に過ごすために、特に問題になりがちな湿気対策を中心に解説していきます。
マンション1階の湿気がひどい理由
マンションの階数のなかでも、特に湿気がひどいのは1階です。
1階は地下や地面の影響を最も受けます。
雨天の日は地下や地面が高湿度になり、その影響が1階にも及んでしまいます。
また、1階は空き巣に狙われやすいため、窓を開けて換気をする頻度が減りがちです。
すると室内に湿気が溜まって不快指数も高くなります。
マンション1階の湿気がひどい理由をまとめると以下の3つになります。
■|外部の湿度の影響を受けやすい
■|地下からの湿気を吸収しやすい
マンションの1階に住むのはあり?メリットデメリットともに徹底解説
日常生活における湿気の影響
高湿度を放置しておくと、健康被害や悪臭、予想外の出費などを招くので注意が必要です。
そこで、まずは湿気によるデメリットを把握しましょう。
それが湿気対策を始めるきっかけになります。
湿気による日常生活への悪影響は次のとおりです。
以下で詳細について説明します。
◉ 雑菌の繁殖による匂いの原因
◉ クリーニング費用の発生
カビやダニによる健康被害
湿気の影響でカビやダニが増えすぎると、感染症やアレルギーのリスクになります。
例えば、皮膚炎やアレルギー性鼻炎、かゆみなどを引き起こす事例が多いです。
気管支の弱い方だと、最悪のケースでは呼吸困難を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
また、湿度が高いと食品にカビが生えやすくなり、知らず知らずのうちにカビの生えた食品を摂取し、食中毒になるリスクが上がるという問題もあります。
雑菌の繁殖による匂いの原因
高温多湿の室内環境では洗濯物がカラッと乾かず、生乾きになりがちです。
湿った洗濯物は雑菌が繁殖しやすく、この雑菌が排せつ物を出すことで生乾き特有の悪臭を発生させます。
特に梅雨の時期は、洗濯物が生乾きになりやすいので注意が必要です。
室内干しによるにおいの悩みは、特にマンションの1階で一人暮らしをする女性から多く寄せられています。
防犯上やプライバシーの関係から、外干しができず室内干しをする方が多いためです。
クリーニング費用の発生
カビ汚れは極めて頑固で、素材内部にまで侵食してしまうと自力では元に戻せません。
借りていたマンションをカビだらけにしてしまうと、退去時に貸主から原状回復するよう求められます。
頑固なカビは一般的な清掃では除去できないため、ハウスクリーニングを利用する必要性が出てきます。
クリーニング費用は1Rや1Kなどのシンプルな間取りでも、3万円を超えてしまうことが少なくないです。
マンション1階で行える7つの湿気対策方法
部屋がじめじめしていても、すぐに深刻な問題が発生するわけではありません。
高湿度の状態が継続することで、少しずつ部屋にダメージを与えていきます。
部屋を守るためには、常に適切な湿度を維持させることが基本です。
そこでこまめな換気を中心に、自主的に行える方法を試してみましょう。
マンション1階を湿気から守るには、次の7つの湿気対策が効果的です。
2. 日中のうちは換気扇を回しておく
3. エアコンで除湿を行う
4. 空気洗浄機を使用する
5. サーキュレーターを使い空気を循環させる
6. 収納に除湿剤を設置する
7. リフォームやリノベーションで湿気が溜まりにくくする
1. 家具と壁の間に間隔を開ける
湿気がひどい部屋は、家具と壁が接触するくらい近づいているケースが多いです。
こうした家具の配置は、室内の空気循環を阻害してしまいます。
すると家具の後ろなど、ちょうど死角になる部分に湿気がこもり、カビを発生させる原因になります。
そのため、部屋の空気循環をよくするために、家具と壁の間は5cmほど離すようにしてください。
それにより家具の後ろや壁を確認しやすくなるメリットも期待できます。
2. 日中のうちは換気扇を回しておく
空気の流れを作り出すことが湿気を溜めないコツです。
そこで活用したいのが換気扇です。
換気扇は調理時しか使わないという家庭が少なくないですが、換気扇の役割は油煙を追い出すだけではありません。
湿気がたまり、よどんだ空気を追い出す役割もあります。
特にキッチンには窓がない、少ないという家庭が多いため、この場合は日中のうちは常時換気扇を回しておいてください。
就寝時間以外は換気扇を回すというのも良い方法です。
3. エアコンで除湿を行う
部屋全体の湿度を下げるためにエアコンを活用しましょう。
エアコンには除湿機能がついていますが、実は冷房機能にも除湿作用があります。
窓を開けたり換気扇を回したりする方法だと、花粉が飛散する時期だと、部屋に花粉を侵入させる要因になります。
そこで外気をなるべく取り入れずに湿度を下げたいときは、エアコンを使用しましょう。
エアコンは除湿と冷房を同時にこなしてくれる優れモノです。
4. 空気洗浄機を使用する
空気清浄機の役割は、微細な粒子や花粉、悪臭などを除去することです。
高機能の空気清浄機のなかには、エアコンのように除湿機能を備えたものがあります。
高機能の空気清浄機は衣類を乾燥させるために活用されますが、湿度を下げたいときにも重宝されます。
除湿機能付き空気清浄機のメリットは、除湿機と空気清浄機を併用するよりも場所を取らず、電気代を抑えられることです。
ほかにもコンセントが1か所あればOK、メンテナンスが楽などのメリットもあります。
5. サーキュレーターを使い空気を循環させる
こまめに換気をしていても、間取りによっては十分な効果を期待できません。
例えば、窓が小さい、窓が少ないなどの要因が換気効率を低下させます。
マンション1階の場合は、プライバシーや防犯性の観点から、窓をあまり開けたくないという方もいるはずです。
そうした場合は、サーキュレーターで室内の空気を循環させてみましょう。
サーキュレーターは扇風機の一種だと思われがちですが、扇風機が涼感を得ることが目的であるのに対して、こちらは空気の攪拌と循環の促進に特化しています。
6. 収納に除湿剤を設置する
狭い空間は非常に湿気がこもりやすいです。
室内の湿度が適切であっても、押入れやクローゼット、下駄箱などの収納場所は多湿になっている場合が多々あります。
そこで寝具や衣類、靴などをカビから守るために除湿剤を活用してください。
除湿剤は乾燥剤よりも、はるかに高い除湿効果があります。
収納の湿気を取り除けば、カビだけでなくダニなどの害虫、悪臭などもまとめて予防できます。
7. リフォームやリノベーションで湿気が溜まりにくくする
さまざまな湿気対策を施しても湿気が逃げない場合、マンションの構造自体に問題があるかもしれません。
一般的にマンションは高気密設計のため、ひとたび湿気が溜まると追い出すのは大変です。
構造による多湿に対しては自主的な湿気対策だけでは限界があるので、リフォームするのがおすすめです。
湿気対策リフォームの具体的な方法は次の2つです。
■|除湿効果のある壁紙を使う
湿気対策リフォームは大がかりな工事になるため、間取り変更リフォームやリノベーションをする際などにまとめて施工するのがおすすめです。
リノベーションを検討中ならリノデュース
リノベーションをするなら、リノベーションが得意な会社に任せましょう。
企業によって得意・不得意な作業があるので、依頼する前に企業の特色をよく把握しておく必要があります。
湿気対策のリノベーションなら、中古マンション購入+湿気対策リノベーションの同時プロデュースを得意とするリノデュースがおすすめです。
他社を介さないワンストップサービスを導入し、すべての作業を自社一貫体制で行っています。
リノデュースはお部屋探しのプロでもあり、専門家の視点から湿気が溜まりにくいマンションを選んでくれます。
さらに仲介手数料が無料なので、諸費用を抑えたい方にもおすすめです。
リノデュースのインスタでは、湿気対策関連のリノベ事例を写真付きで公開しています。
カビの発生しやすい箇所とその対策方法
カビが発生しやすい次の箇所には何らかの対策が必要です。
カビはひとたび発生すると、少しずつ広範囲に広がっていきます。
さらに素材内部にまで侵食すると、完全に除去するのは困難です。
カビは見た目が悪いだけでなく、アレルギー性鼻炎やシックハウス症候群などの要因にもなります。
だからこそ発生させない対策が最も重要です。
次の項目では、3つの箇所に応じた対策の詳細について解説します。
◉ 窓辺の対策
◉ 収納スペースや押し入れの対策
水回りの対策
洗面所やバスルームなどの水回りは、湿気が溜まりやすい場所です。
なかでもバスルームは高温多湿になりやすく、入浴中の湿度は90%を超えることもあるほどです。
また、バスルームから出るときは、水蒸気が脱衣所や洗面所に逃げていき、これらの場所が多湿になることでカビが発生しやすくなります。
壁が湿っている状態では、その周辺が高湿度になっています。
そこでこれらの水回りのカビ対策として、こまめな換気と湿気を拭き取る対策を徹底してください。
水回りの近くの壁は黒カビが発生しやすいので、常に乾燥した状態を維持するように努めましょう。
窓辺の対策
窓は壁よりも薄く、外気の湿気の影響を強く受けやすいです。
真っ先に結露が発生し、やがて窓の下の壁にも結露の影響が及びます。
それゆえ窓の周辺の壁はカビが発生しやすくなります。
南向きの部屋は日当たりがよく、湿気がこもりにくい特徴がありますが、それでもマンション1階は日差しが悪くなる傾向があるので安心はできません。
窓辺の湿気対策としては、タオルで水気を拭き取る方法が基本になります。
それに加えて窓辺に湿気がこもらないように予防対策をしましょう。
例えば、窓とカーテンの距離が近すぎると湿気が逃げにくくなり、カーテンにカビが発生しやすくなります。
そのため、窓とカーテンを密着させず、間隔が開くように調整するのがおすすめです。
収納スペースや押し入れの対策
収納スペースは湿気がこもりやすいので、より入念な湿気対策が必要です。
例えば押入れや下駄箱の中には換気扇がなく、また狭いので空気が留まりやすくなります。
空気が動かない場所ほど、湿気が溜まりカビの発生リスクを高くします。
収納スペースや押入れの湿気対策として、スノコの設置を検討しましょう。
スノコがあると必然的に隙間が生まれるので、そこから空気の動きが生まれます。
また、定期的な換気も効果的なので、押入れならば週に1回は開けっ放しにして湿気を逃がすなどの対策をしましょう。
マンション1階で衣類にカビ発生時の対処法
マンション1階は、2階や3階よりも衣類にカビが発生しやすいです。
それは1階が最も地面から近いからです。
カビは予防するのが基本ですが、100%抑えられるものではありません。
特に衣類のカビ対策は難しいため、発生時の対処法もあわせて知っておく必要があります。
具体的な対策は次の5つです。
以下でそれぞれの方法について詳しく説明します。
◉ メイク落としを使って落とす
◉ 酸素系漂白剤を使って落とす
◉ 重曹を使って落とす
◉ クリーニング屋に相談する
消毒用エタノールで落とす
衣類の白カビは速やかに落としてください。
カビ落としには消毒用エタノールが役立ちます。
水やお湯よりもカビを落としやすく、カビの細菌の除菌もできるので、発生を抑えるためにも最適です。
カビを落とすときは、擦らずにポンポンと叩くようにするのがコツです。
タオルなどでカビを拭き取り、風通しのいい場所に干して乾燥させましょう。
消毒用エタノールはドラッグストアやネット通販などで購入できます。
メイク落としを使って落とす
意外にもカビにはメイク落としが効果的です。
まだカビが薄い、カビが少ない場合はシートタイプのメイク落としで対応できます。
ただし大量にカビが発生した場合は、あまり効果がありません。
この方法で対処できるのは、軽度のカビに限定されます。
たまにしか着ない服は、知らず知らずのうちにカビが生えてしまうことがあります。
カビはひとたび発生すると、数日で目立つ状態になるので、週に1回は衣服の確認をするのが得策です。
酸素系漂白剤を使って落とす
衣類はしっかりと洗濯したつもりでも、雑菌やにおいが残っている場合があります。
こうした汚れの残留を解消するには、酸素系漂白剤が役立ちます。
浸け置きをしてから洗濯をすれば、カビをまとめて撃退できるでしょう。
ただし、酸素系漂白剤はすべての衣類に使用できるわけではないので、洗濯前に洗濯表示で確認してください。
重曹を使って落とす
重曹とは炭酸水素ナトリウムのことで、消火剤や中和剤、食品添加物として使用されています。
重曹はカビ落としにも使えるので、洗剤を使いたくない方におすすめです。
昔から水回りの汚れ落としには重曹と酢の組み合わせが最適と言われています。
特に革製品など丸洗いできない衣類に最適です。
やり方は簡単で、まず重曹3に対して水1を加えて重曹ペーストを作ります。
これをカビの気になるところに塗布してカビを浮き上がらせます。
それからタオルや雑巾などでやさしく重曹を除去し、あとは風通しのよい場所で乾燥させるだけです。
クリーニング屋に相談する
頑固になったカビは通常の洗濯では十分に落とせません。
また、衣類には自分で洗えないものがあるため、そうした場合はクリーニング屋に持っていくのがおすすめです。
クリーニングの依頼をする際は、衣類の管理方法もあわせて聞いておきましょう。
衣類のカビで後悔したくない方は、防カビ加工をしてくれる店を利用してください。
マンション1階における湿気のまとめ
マンション1階は価格が安く、また近くのコンビニに気軽に行けるなど多くのメリットがあります。
特に小さいお子さんや高齢者がいる家庭ではメリットが大きいです。
その一方で他階よりも湿気とカビ被害に遭いやすいという問題があります。
これらは家を傷めたり、嫌なにおいを発生させたりする原因にもなるので、適切な対策をして解消しましょう。
最も確実な方法は、カビが発生しにくい住環境にすることです。
物件購入時にカビ対策ができるため、現在は中古物件購入+リノベーションという選択をする方が増えつつあります。
リノデュースは仲介手数料無料で、しかもワンストップサービスを導入しています。
徹底してムダなコストを排除し、安価と高品質を両立させたリノデュースをぜひ検討してみてください。