「家の築年数が古いんだけど、フラット35は使えるかな」
「中古住宅の借入の基準を知りたい」
この記事では上記のような疑問にお応えしています。
フラット35は住宅金融支援機構が提供している住宅ローン商品です。
最短15年から最長で35年間のローンを組むことができます。
まず結論からお伝えすると、築年数が古くてもフラット35は利用できますが、住宅金融支援機構が定めている基準に満たしていることが条件です。
では、利用できるための基準とはどのような内容なのでしょうか。
この記事では、築年数が古い物件でフラット35を利用するための適用条件を中心に紹介していきます。ぜひご利用になる前にご覧いただき、参考にしてください。
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フラット35が使える中古住宅の建物技術基準
中古の戸建て物件とマンション物件の建物技術基準には違いがあります。
接道(道路と家が接している部分)、床面積、住宅規格、構造、築年数、耐震性に関しては双方で共通する基準が設けられています。
一方、戸建て型式では木造は一戸建てまたは連続建てに限定され、耐火構造住宅内専用階段は耐火構造以外も許可されていますが、マンションにはこのような制限はありません。
また、劣化状況に関しては戸建てでは屋外基礎や外壁、屋内土台などに特有の基準が設けられているのに対し、マンションでは共用部分の基礎や外壁、柱、梁などに焦点が当てられています。
最後に、マンションでは維持管理基準が重視され、管理規約の定義や長期修繕計画の存在が必要ですが、戸建てにはこのような基準は設けられていません。
中古戸建て | 中古マンション | |
---|---|---|
接道 | 一般交通用の道に2m以上接している | 一般交通用の道に2m以上接している |
床面積 | 70㎡以上 (共同建て30㎡以上、併用住宅は住宅部分≥非住宅部分) | 30㎡以上 |
住宅規格 | 2以上の居住室、炊事室、便所、浴室を備え、独立した生活可能 | 同上 |
戸建型式等 | 木造は一戸建て/連続建て限定、耐火構造住宅内専用階段は耐火構造以外も可 | 該当なし |
構造 | 耐火構造、準耐火構造、耐久性基準適合住宅 | 耐火構造、準耐火構造 |
築年数・耐震性 | 1981年6月1日以降建築確認、1983年4月1日以降新築、または耐震評価基準適合 | 同上 |
劣化状況 | 屋外基礎・外壁のひび割れや欠損なし、屋内土台・床組のひび割れ、欠損、腐朽、蟻害、鉄筋露出なし | 共用部分の基礎、外壁、柱、梁、バルコニー等に鉄筋露出なし |
維持管理基準 | 該当なし | 管理規約の定義、20年以上の長期修繕計画 |
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フラット35が利用できる中古住宅の築年数
首都圏の中古住宅市場は、2013年の金融緩和政策以降、価格が上昇しています。
東日本不動産流通機構「レインズ」のデータによれば、この傾向は特にマンションで顕著であり、2022年から2024年にかけて戸建ては安定傾向にある一方で、マンション価格は依然として上昇しています。
これは、共働き世帯の増加に伴う生活利便性へのニーズから、マンションへの需要が増しているためです。
しかし、成約数は横ばいまたは減少しており、高価格化が影響していると考えられます。
中古市場においては、築30年を超える物件が最も多く、その後に築20年、10年、5年と続く傾向があります。
本章では、これらの背景を踏まえ、フラット35が利用できる中古住宅の築年数に焦点を当てて解説します。
◉ 耐震基準も審査対象
中古住宅の築年数は41年程度
物件の築年数は41年までなら問題なくフラット35を利用することができるでしょう。
住宅金融支援機構の公式サイトでは以下のような文面で紹介されています。
建築確認日が昭和56年5月31日以前の住宅(建築確認日が確認できない場合は、新築年月日(表示登記による新築時期)が昭和58年3月31日以前の住宅)については、住宅金融支援機構の定める耐震評価基準に適合していることが必要です。
引用:フラット35公式ページ
ローンを組める基準となっているのは「耐震基準」です。
耐震基準も審査対象
現在の住宅ローンの審査は、公的・民間に関わらず「耐震基準」が重要ポイントとして設定されています。
日本は古くからの「地震大国」であり、地震による災害で幾度となく建物倒壊の被害を受けてきました。
そのため、建物の建造には必ず耐震基準が設けられ、大きな地震にも耐えられるように設計されています。
フラット35は中古物件にも利用できますが、新耐震基準以前に建築された「旧耐震基準」の物件は、最新の耐震基準に満たしているという適合証明書が必要です。
適合証明書がない場合、審査が通らない可能性があるため、耐震工事などで基準を満たしておきましょう。
≫ ≫ 初心者でも分かる住宅ローンの正しい選び方は?3種類の金利や審査について解説
フラット35の審査が不要な中古住宅
ここまで、中古住宅のフラット35が適用される条件について紹介しましたが、物件のなかには審査が不要なものもあるのをご存じでしょうか?
ここでは審査が不要な中古住宅について紹介していきます。
◉ 団体登録住宅でフラット35の基準適合住宅
◉ 団体登録住宅でフラット35の基準適合住宅
築年数10年以内の中古住宅
まず、築10年以内で新築時にフラット35の住宅ローンを利用して建てられた物件は、再度フラット35を利用する際に一定の条件のもとで物件検査の手続きを省略できる場合があります。
これは、当初の建築時に既に厳格な検査をパスしているため、建物の品質が保証されているとみなされるからです。
この省略が可能となることで、買い手はスムーズに融資を受けるプロセスを進めることができるメリットがあります。
詳細はフラット35を提供する金融機関や住宅金融支援機構の公式情報を参照してください。
団体登録住宅でフラット35の基準適合住宅
次に、団体登録住宅でフラット35の基準適合住宅です。
団体登録住宅とは、住宅メーカーなどが建築する家が国の定める安全な建築基準を満たしていると認められている住宅群のことです。
これらの住宅は、耐震性や環境への配慮などの基準に適合しているため、新たに購入者が現れた際に、建築基準に関する検査を省略することができます。
中古マンションらくらくフラット35該当するマンション
「中古マンションらくらくフラット35」とは、住宅金融支援機構が事前に対象となる物件が技術基準の可否を確認したマンションに対して適応できる商品です。
対象となるマンションは検査や適合証明書が不要となります。
そのため、購入プロセスが迅速かつ簡単になるため、購入者はよりスムーズに物件を購入することができるようになります。
物件検査を省略できることは、時間と費用の節約にも繋がります。
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フラット35が適用される中古住宅の築年数のまとめ
今回はフラット35が適用される中古住宅について解説しました。
築年数が古い中古住宅の購入なら、フラット35は強い味方になります。
適合する物件であれば、築年数に関わらず利用可能です。特に「中古マンションらくらくフラット35」は、検査や適合証明の手間が省け、おすすめです。
リノベーションが必要な物件もフラット35の対象となり得ますので、手数料無料で相談に乗ってくれる会社を探し、その際にフラット35のこともぜひ相談してみてください。
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この記事が、あなたの中古マンション選びとフラット35の利用についての知識を深める一助となれば幸いです。
フラット35についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ検索してみてください。