近年、新築価格の高騰や社会情勢の変化などに伴い、中古マンションへの注目が集まっています。
そして、マンション購入はファミリー層が多いと考えがちですが、最近は独身女性のマンション購入も増加傾向にあるのです。
この記事をご覧の方には、マンション購入を検討している女性の方もいらっしゃるはず。
しかし、「自分の年収でマンション購入ができるのか不安」という気持ちを抱いていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、独身女性のマンション購入に関して様々なデータを元に解説します。
正確な数値を参考にした計画を立てれば、独身女性のマンション購入は十分に可能です。
特に、中古マンションとリノベーションの組み合わせは、比較的価格を抑えながらも理想の住まいを実現する手段として人気の手法です。
記事の後半では実際の施工事例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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独身女性のマンション購入に関するデータ
独身女性のマンション購入について、より深く分析するためのデータを確認します。
2020年に行われた首都圏新築マンション契約者動向調査の結果によると、前年度と比較した時、夫婦のみ世帯や、独身世帯の購入者がやや増加していることが分かります。
最も多い世帯は子どもあり世帯で38.7%、次いで夫婦のみ世帯が35.6%と全体の約7割を占めますが、シングル世帯は14.4%と約1.5割も存在します。
そして、シングル世帯では男性より独身女性世帯の契約者が多く、8.6%という結果が明らかになっています。
この数値は2015年と比較した時、約1.7倍増加しているのです。
まずは、独身女性のマンション購入について、以下の3点の結論に沿って、それぞれの解説と補足説明していきます。
≫≫ 独身女性のマンション購入者数が増加!?オススメの間取りや注意点を解説
– 独身女性マンション購入時の年収は400万〜500万が多い
– マンション購入平均価格は3000万円台が多い
30代〜40代独身女性のマンション購入割合が多い
マンションを購入している独身女性の年齢別割合を確認していきます。
2022年に、一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」が行った、マンション購入にまつわる条件や自身のライフスタイルに関するアンケート結果によれば、以下の通りの数値が確認できます。
20~24歳 | 0.2% |
25~29歳 | 6.1% |
30~34歳 | 15.6% |
35~39歳 | 21.8% |
40~44歳 | 22.7% |
45~49歳 | 19.4% |
50~54歳 | 9.3% |
55~59歳 | 4.0% |
60~69歳 | 0.5% |
無回答 | 0.5% |
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000017070.html
30代から急激に増加し、40代を超えると割合は一気に減少していることが確認できます。
最も大きな年代としては、35歳〜44歳となっており、この年代だけで全体の約4割を占める結果となりました。
この要因は社会的立場の向上に伴う収入の安定なども考えられますが、最も大きなポイントとしては住宅ローンの返済期間があるはずです。
現役の内にローンを完済することを考慮した上で、マンション購入に踏み切ろうと考える方が多いと考えられます。
独身女性マンション購入時の年収は400万〜500万が多い
同様のデータを参考に、年収を確認してみます。
マンション購入時の年収割合は、以下の通りとなりました。
~199万円 | 2.2% |
200万円台 | 2.8% |
300万円台 | 12.1% |
400万円台 | 21.8% |
500万円台 | 22.8% |
600万円台 | 17.1% |
700万円台 | 9.9% |
800万円台 | 5.5% |
900万円台 | 2.2% |
1,000万円以上 | 3.4% |
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000017070.html
割合として最も多い年収は「500万円台」であり、次いで「400万円台」と「600万円台」という結果になりました。
調査が行われた2022年の女性の平均年収は347万円であったことから、通常よりも収入の高い層がマンション購入に踏み切っていることが考察できます。
しかし、一般的な会社勤めであれば、前述した年代のボリュームゾーンである35歳〜44歳の時点で、上記の年収に達することは不可能ではないと考えられるはずです。
そのため、女性の平均よりは稼いでいる、通常の会社勤めの女性がマンションを購入していることが読み取れます。
≫≫ 住宅ローン借入れ限度額の基準を解説!年収での目安金額もご紹介!
マンション購入平均価格は3000万円台が多い
一言でマンションといっても、その価格は条件によって異なります。
独身女性が購入しているマンションの平均価格は、以下の割合になりました。
2,000万円未満 | 5.8% |
2,000万円台 | 25.4% |
3,000万円台 | 43.8% |
4,000万円台 | 17.3% |
5,000万円台 | 4.3% |
6,000万円以上 | 3.1% |
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000017070.html
これまでのデータとは異なり、購入価格は断トツで「3,000万円台」が多い結果になり、次いで「2,000万円台」、「4,000万円台」と続きます。
「3,000万円台」と「2,000万円台」で全体の約7割を占めていますので、間取りとしては底まで広くない、単身向けのマンションを購入していることが考えられるはずです。
また、頭金については3人に1人が100万円未満という結果も明らかになり、半数以上がまとまった貯蓄がない状況で購入に踏み切っているといえるかもしれません。
それでも資金計画に無理がなければ、購入は十分に可能だということが分かるはずです。
≫≫ 初心者でも分かる住宅ローンの正しい選び方は?3種類の金利や審査について解説
独身女性のマンション購入の適正価格とは?
想像できる理想のマンションを探し出すとキリがありません。
実際は条件や価格などの面から、現実的に実現可能な物件を探した上で絞り込んでいく必要があります。
マンション購入の場合、基本的には買手の年収によって、適正購入価格をある程度算出できます。
一般的に、以下の表が年収に対する物件価格の適正値です。
年収 | 購入適正価格(年収の5倍) | 購入適正価格(年収の7倍) |
300万 | 1,500万 | 2,100万 |
400万 | 2,000万 | 2,800万 |
500万 | 2,500万 | 3,500万 |
600万 | 3,000万 | 4,200万 |
700万 | 3,500万 | 4,900万 |
物件価格が安価であれば、支払い金額も少なくなり経済的には楽になります。
しかし、一生に何度もない買い物ですので、妥協したくないと考えるのは当然です。
基本的には上記の表の通り、購入適正価格としては年収の5〜7倍程度で考えます。
年収に対する相場と比較しながら、無理のない範囲で検討することをおすすめします。
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女性がマンションを購入するようになった背景
これまでマンション購入はファミリー層からの需要が一般的でした。
しかし、近年は独身女性のマンション購入も増加傾向にあります。
現在の状況に至った背景を確認していきます。
– 結婚・出産の遅延
– 近隣や隣人とのトラブルに巻き込まれる
働く女性の増加
令和元年、労働者人口の約44%は女性という事実が判明しました。
さらに課長相当職以上の女性管理職を有する企業の割合は、全体の約53%にものぼります。
令和2年には新たに役職に昇進した労働者の内、約15%が女性になりました。
このように、女性でも男性と同じような収入を得て働いている人が増加しています。
もちろん、労働者人口の中には共働きのパートも含まれますが、管理職として男性と匹敵する働きをする女性も増えているのです。
昇進や昇格をきっかけに、よりよい生活を模索することは普通の感覚です。
収入が安定しており、昇進分の給料とボーナスを初期費用に充てることで、十分マンション購入を検討できるのです。
結婚・出産の遅延
現在は女性の社会進出の増加に比例して、一昔前のように20代前半で出産を経験する女性は減少しつつあります。
女性も長く働きたいという想いから、結婚して家庭に入るのではなく30代という社会人として活躍出来る年代に仕事に打ち込む人も少なくありません。
結果的に晩婚化、出産の遅延という状況が生まれているのです。
しかし医療の発達に伴って、一昔前では高齢出産と言われた年代でも問題なく出産、子育てできる環境が整っています。
また人生100年時代といわれるように、50歳を迎えてもまだ人生の折り返し地点でしかありません。
そのため、晩婚化という言葉も古くなりつつあることが考えられます。
1人で暮らす女性にとって、自分の住まいは重要な生活基盤です。
安定した収入があり、返済できる見込みがあることで、マンション購入に踏み切ることは自然な流れといえるはずです。
≫≫ 一人暮らしでマンション購入するメリット・デメリットとは?価格相場も解説
安定感や投資対象としての需要
分譲マンションは基本的に、賃貸と比較して安心したセキュリティが施されていることが一般的です。
女性の一人暮らしは何かと不安がつきそいますので、出来る限り安心した生活を手に入れたいと思うことは当たり前です。
また、高齢になると住居を確保することが難しいことが想定されますが、マンションを購入しておけば老後の住まいを心配する必要がなくなります。
社会人として安定した収入がある場合、自分の資産にならない賃貸に家賃を払い続けることに疑問を持つ人も少なくありません。
このように、現在の生活と老後の安心感に加えて、投資対象としての需要が増加した結果、独身女性のマンション購入が一般的になりつつあるのです。
分譲マンションのみならず、新築よりも安価で購入が可能な中古マンションを購入して、リノベーションし自分の理想の住まいを作り上げ資産を保有するという方も増えています。
≫≫【2024年最新】東京のリノベーション会社ランキング10選!大手から上場企業まで徹底比較
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独身女性がマンションを買うメリット
独身女性がマンションを買うメリットをお伝えします。
賃貸とは異なり、ローン返済後には自らの所有物となりますので、マンション購入には多くのメリットが存在しています。
その中でも、特にお伝えしたい3つを解説していきます。
– 資産形成につながる
– 自己実現につながる
安定した居住スペースを確保できる
マンション購入は安定した居住スペースを確保できます。
賃貸の場合、当然ですが大家に対して毎月家賃を支払わなければなりません。
そして、何十年同じ賃貸に住んでいても、一生自分の家にはならないのです。
社会人として安定した収入がある内はまだいいかもしれませんが、定年後年金暮らしになった時、これまでと同じ家賃を払い続けられる保証はありません。
老後に新たな住まいを探しだしたとしても、年齢や収入を理由に思ったような住まいを見つけることが困難になるケースも少なくないのです。
このようなリスクを避けるためにも、マンション購入は大きなメリットになるといえます。
資産形成につながる
前述したように、賃貸は何十年家賃を支払い続けても決して自分の資産にはなりません。
しかし購入したマンションであれば、ローン完済後は自らの所有物となり家賃を支払う必要がありません。
また、購入後に結婚などライフスタイルの変化があったとしても、賃貸として不動産所得を得ることも可能です。
さらに、人気の立地であれば購入価格を上回る金額で売却することも不可能ではないのです。
住まいとしての家賃を支払い続ける賃貸とは異なり、資産形成につながるという意味で、独身女性のマンション購入はメリットがあります。
≫≫ リノベーションした中古マンションの資産価値を分かりやすく解説
自己実現につながる
マズローの欲求段階という有名な学説があります。
こちらでは、人間の欲求を5つに分割して、それぞれの段階をステップアップしていくことで、最終的な自己実現に繋がるという考え方をしています。
睡眠や食事といった生理的欲求から始まり、その次は安全の欲求となります。
マンション購入では、上記の2つは間違いなく手に入るといえるはずです。
その次に精神的欲求として共同体に所属し、承認される欲求の段階に入ります。
これらは社会人として地位を得て働いている場合、仕事で成果を出すことやマンションを購入したという事実がモチベーションになることが考えられます。
この段階をクリアした時点で、本当に自分が思い描く自己実現の欲求を満たしていくのです。
このように、生活基盤と社会的ステータスを手に入れられるマンション購入は、自己実現に繋がる近道だと言えるかもしれません。
マンション購入で後悔しないための3つのポイント
人生のうち、マンションの購入は大きなイベントです。
できるだけ後悔しないために、気を付けるべき3つのポイントを紹介します。
– 周辺環境は不動産会社と連携する
– マンションの資産価値を見極める
資金計画は無理ない範囲で設定する
住宅ローン返済の資金計画は、生活するうえで無理のない範囲に設定しましょう。
借りられる額ではなく、安定して返せる額を借りることが大切です。
奨学金やマイカーのローン返済があれば、加味して毎月の支出を計算しなければなりません。
無理のない返済額は手取りの20%前後と言われているため、毎月25万円の手取りなら5万円だと充分余裕をもった生活が送れます。
転職をする可能性があれば転職した際の年収でシミュレーションを行いましょう。
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周辺環境は不動産会社と連携する
地元以外に、生活をしたことのないエリアの環境の情報は、不動産会社に教えてもらうことで有力な情報が得られます。
部屋の日当たりや眺望、設備など自分で確認ができる点以外に、周辺にある商業施設の数や規模、病院や役所などの公共機関が物件からどれくらい離れているかで生活の質は大きく変わります。
現在だけではなく、数年後、数十年後の生活スタイルを考えて周辺環境を確認しましょう。
≫≫ 閑静な落ち着きのある物件に住みたい、静かな物件の探し方とは
マンションの資産価値を見極める
独身女性がマンションを購入した場合、老年期まで一つの物件に住み続けるかどうか将来のことは分かりません。
ライフスタイルの変化に対応できるように売却も視野に入れて、マンションの資産価値を見極める必要があります。
価値に最も大きな影響があるのは、立地です。
人気のエリアや、駅近というポイントは必ず確認をしておきましょう。
また、高層階になればなるほど価格は上昇します。
しかし、購入時の価格も比例するため、1階にこだわりがなければ無理のない範囲で2階以上の物件の購入をおすすめします。
売却以外にも、資産として保有しておいて賃貸に出すことも可能です。
1Kなど面積の狭い物件は借りる層が限られるので、2人以上でも入居可能な1LDKや2LDK以上の間取りだと需要が高いです。
購入時から将来的に賃貸に出す予定があれば、周辺の家賃相場の調査は必須事項です。
≫≫リノベーション向き物件の選び方から見分けるポイントや探し方まで解説
近年、中古住宅をリノベーションして暮らすという選択肢が定着しつつあります。リノベーションを検討している多くの方が、リサーチをおこなう際に「ワンストップリノベーション」という言葉を頻繁に目にするのではないでしょうか。しかしワン[…]
独身女性のための中古マンション購入+リノベ事例
マンションには新築と中古が存在しますが、近年は社会情勢の影響によって新築価格の高騰が続いています。
そこで注目を集めているのが中古マンションを購入し、リノベーションを実施する手法です。
全体の価格を抑えながらも、優れた立地条件や住環境を実現できる可能性が高く、これから大きく需要が伸びることが想定されます。
中古マンションとリノベを組み合わせた事例を2点紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
– 効率的なスペース活用
3Dで創る快適空間
2DKからスタジオタイプへリノベーションした事例です。
立体的に捉えた間取りと、細部まで統一されたデザインにより、他に類を見ないお部屋を実現しました。
玄関はシンプルに構成されており、エントランスフロアはコンクリート調のタイルを使用しました。
玄関に隣接して大きなクローゼットルームがあり、エントランス横にはシューズクローゼットも。
廊下側はウォークインクローゼットとなる仕様で、それぞれに開口部があります。
どちらも扉を設けずアーチ型開口としました。扉を設けないことにより視覚的にも空間に広がりが生まれます。
洗面スペースには天井に室内干し用のバーを2本設置し、中心にはシーリングファンを装備しています。
ミントグリーンとチャコールグレーを交互に配置したペンダントライトが、部屋の中央で爽やかな彩を加えます。
キッチン天板、キッチンパネルのグレーとも相性良く、淡い色が優しい空間を作り出しています。
寝るには充分の広さのあるロフト部分では、ブラケットライトの間接照明が心安らぐ室内を演出します。
寝室をロフトにして下部に収納を作り、リビングを小上がりにしてダイニングチェアとするという、立体的にゾーニングすることで生活を豊かにした設計です。
限られたスペースの中で悠々と快適に暮らすことのできる一つの策として、非常に有効なリノベーション設計となっています。
エリア | 東京都 |
タイプ | マンションリノベーション |
延床面積 | 45.00m²(施工面積:45.00m²) |
リノベ費用 | 1250万円(税込)※施工当時価格 |
間取り施工前 | 2DK → リノベ後:1LDK+W |
リノベ事例 | 立体で間取りを創る |
効率的なスペース活用
限られたスペースを効率的に活用し、明るく開放的な住空間に生まれ変わったリノベーションです。
もともと2部屋に分かれていた間仕切りを撤去し、広々としたリビングダイニングに一新。
床にはオークの無垢フローリングを採用しており、壁や天井は膨張色の白で統一し、より広く見せる視覚的な演出も効果を発揮しています。
また、I型キッチンを壁付けにすることでムダなスペースはなくなり、十分な収納と、そして料理を中心とした動線の確保が可能になります。
寝室の奥には収納力が十分なウォークインクローゼットがありますが、建具を設けないことで寝室からの明かりが入り、そして常に換気できる環境によって湿気をため込みません。
洗面所には、洗面化粧台と洗濯機置き場をムダなく横並びに配置し、天井にはステンレス製の物干しハンガーを設置しています。
また洗面所の一角にはトイレを配置していますが、実は、トイレスペースとしての建具を設けていません。
これは、スペースを広く開放的に使えることや掃除がしやすくなること、そして洗面所の照明を共有できることなど多くのメリットがあります。
限られたスペースを効率よく活用することで、生活の質を高めるリノベーション事例として、非常に参考になるはずです。
エリア | 埼玉県 |
タイプ | マンションリノベーション |
延床面積 | 60.68m²(施工面積:60.68m²) |
リノベ費用 | 840万円(税込)※施工当時価格 |
間取り施工前 | 2LDK → リノベ後:1LDK+W |
リノベ事例 | 効率的なスペース活用 |
まとめ
独身女性のマンション購入について、様々な角度のデータを元に解説してきました。
ご自身の年収に応じた予算を設定すれば、確実な返済計画を元にした購入が可能です。
そして、理想の住まいを実現しやすい手段として中古マンションとリノベーションの組み合わせは近年注目を集めています。
少しでも購入を検討されている場合は、一度お近くの不動産業者へ相談されることをおすすめします。
女性の社会進出、初婚年齢の上昇傾向は今後も続くことが考えられます。
住宅ローンの返済期間を少しでも早めるという意味でも、購入に踏み切る年齢は少しでも若いほうがいいはずです。
本記事の内容を参考に、理想の住まいを実現していただけると幸いです。