「2024の税制改正があったけど、住宅ローンはどうなの?」
「物件購入を検討しているから教えてほしい」
今回は上記のような悩みを解決するために役立つ内容です。
2023年6月に国土交通省から税制改正が公表されました。しかし、一般的に税制改正があったとしても詳しく知っている方はあまりいないでしょう。
報道機関や専門家などではない、消費者がローン控除に関する情報はなかなか見つけづらいもの。
そこで今回は最新の税制改正について詳しく紹介していきます。
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住宅ローン控除制度とは?
控除制度とは、利用者が一定の要件を満たす場合に所得税や住民税から一定額が控除される優遇措置です。
制度を利用することで、ローン負担を軽減することが可能になります。
控除を受けるための主な条件は以下の通りです
・購入した住宅が自己の居住用である
・所得税の対象となる所得がある
住宅の種類によって、借入限度額と控除期間は異なります。
新築住宅の場合、借入限度額は最大4,500万円までとなり、控除期間は最長13年間です。
新築の場合、省エネ基準に適合していない新築住宅は対象外となります。
中古住宅の場合、借入限度額は3,000万円です。控除期間は10年となります。
リフォームを行った場合でも、一定の条件を満たせば控除を受けることができます。
かかった費用を住宅ローンに組み入れることで、控除対象となります。
2022年度の税制改正内容
2022年度の税制改正の内容について振り返ってみましょう。
【2023年まで】
住宅の性能 | 借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 | |
---|---|---|---|---|
新築住宅、買取再販 (一定の増改築を行った) | ①長期・低炭素認定住宅 | 5,000万円 | 455万円 | 13年 |
②ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 409.5万円 | ||
③省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 364万円 | ||
その他の住宅 | 3,000万円 | 273万円 | ||
既存住宅 | 上記①②③の住宅 | 3,000万円 | 210万円 | 10年 |
その他の住宅 | 2,000万円 | 140万円 |
控除期間は新築で13年、中古で10年でした。借入限度額と控除額は新築・中古に加えて住宅性能で金額が変わっています。
・長期優良・低炭素住宅:借入限度 5000万円/最大控除額 455万円
・ZEH水準省エネ住宅:借入限度 4500万円/最大控除額 410万円
・省エネ基準適合住宅:借入限度 4000万円/最大控除額 364万円
・その他の住宅:借入限度 3000万円/最大控除額 273万円
・長期優良・低炭素・ZEH水準省エネ・省エネ基準適合:借入限度額 一律3000万円/最大控除額 210万円
・その他の住宅:借入限度額 2000万円/控除額 140万円
住宅市場の動向やエネルギー効率の高い住宅を奨励する国の方針など、複数の要因を背景に行われています。
≫ ≫ 住宅ローン控除(減税)期間はいつまで?借入限度額や申請期日もご紹介
2024年以降の住宅ローン控除適用条件
2024年以降の控除の適用条件は以下のように変更点があります。
性能 | 借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 | |
---|---|---|---|---|
新築住宅 | ①長期・低炭素住宅 | 5000万円 | 一律引き下げ | 13年 |
②ZEH水準省エネ住宅 | 4500万円 | |||
③省エネ基準適合住宅 | 4000万円 | |||
その他の住宅 | 3000万円→2000万円に | 13年→10年 | ||
中古住宅 | ①~③の該当住宅 | 3000万円 | 一律引き下げ | 10年 |
その他の住宅 | 2000万円 |
この章では2024年に変更された点を深堀していきます。
◉ 新築住宅の借入限度額縮小
省エネ基準に適していない「その他の住宅」は適用外
その他の住宅とは、省エネ基準に適合しない住宅です。
省エネ基準とは、住宅の断熱性能や省エネ設備の性能を定めた基準です。
省エネ基準に適合した住宅は、省エネ性能が向上しているため、光熱費の削減やCO2排出量の削減につながります。
2024年度の税制改正により、省エネ基準に適合しない新築住宅は、住宅ローン控除の対象外となりました。
そのため、2024年以降に新築される住宅は、すべて省エネ基準に適合している必要があります。
その他の受託の控除額についてですが、2024年以降に入居した場合は対象外となり控除は適用されないので注意しましょう。
また、2023年の間に入居した場合は最大で273万円の控除が受けられます。
つまり、2024年以降に新築住宅を購入する際は、省エネ基準に適合していることを確認するようにしましょう。
なお、中古住宅は、省エネ基準の適合状況に関係なく、控除の対象となります。
新築住宅の借入限度額縮小
2024年以降の控除の適用条件では、新築住宅の借入限度額が縮小されました。
従来は、住宅の取得等の対価の額が5000万円以下の場合に、新築住宅の住宅ローン控除の適用を受けることができます。
しかし、2024年以降は、対価の額が4000万円以下の場合のみ、適用を受けることができます。
この改正の背景には、借り過ぎを抑制し、家計の健全化を図る狙いがあります。
また、新築住宅の価格の高騰を抑制し、中古住宅の購入を促進する狙いもあると考えられます。
≫ ≫ 初心者でも分かる住宅ローンの正しい選び方は?3種類の金利や審査について解説
住宅ローン控除を最大限活用するなら中古+リノベーション
住宅ローン控除を最大限活用するなら、購入した中古住宅にリフォームを行うことをおすすめします。
その理由は、以下の3つのメリットがあるからです。
2. 新築同様に綺麗で自分の理想にカスタマイズすることができる
3. 新築よりも安い
国や自治体では、リノベーション・リフォームの費用を補助する制度を実施しています。
例えば、国では「住宅リフォーム減税」という制度があり、一定の条件を満たす場合、リフォーム費用の10%を所得税の控除を受けることができます。また、自治体によっては、独自の補助金制度を設けているところもあります。
また、築年数や経年劣化によって、内装や設備が古くなっていることがあります。
リフォームを行うことで、新築同様に綺麗に仕上げることができます。
また、自分の理想に合わせて、間取りや設備をカスタマイズすることも可能です。
新築住宅よりも安く購入することができます。
リフォーム費用を加味しても、新築住宅を購入するよりも費用を抑えることができる可能性があります。
中古購入+リノベーションをするなら、中古購入にかかる仲介手数料が無料になる会社とリノベーションできない物件も存在するため、ワンストップサービスもおこなっている会社を選ぶようにしましょう。
ワンストップサービスを行う会社は、中古物件の仲介からリノベーションの設計・施工までを一貫して行うことができます。
そのため、中古物件探しからリノベーションまで、すべてを同じ会社に依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。
≫ ≫ リノベーション会社の選び方解説!成功のポイントと失敗を避けるコツ
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2024年住宅ローン控除税制改正のまとめ
今回は2024年の住宅ローン控除税制改正について紹介してきました。
2024年、控除制度は改正されます。
具体的には、省エネ基準に適合していない「その他の住宅」については控除が適用されなくなるため、これまで受けられた税金の控除が得られなくなります。
これは、エネルギー効率の良い家づくりを促進し、持続可能な住環境を支援するための政策の一環です。
また、2024年1月1日以降に「その他の住宅」に入居する場合、従来の控除額は受けられず、実質的に控除の恩恵が減少することになります。
対して、省エネ基準に適合している住宅では、控除が引き続き適用されますが、その限度額も引き下がります。
省エネ基準に適合する住宅の選択が、これまで以上に重要な意味を持つようになります。
住宅購入を検討している方々は、この新しい政策を理解し、住宅選びにおいて省エネ性能を重視することが求められるでしょう。
新築だけではなく、中古物件にも目を向けることで損をしない物件購入が可能です。
ぜひ中古の購入にはリノデュースへお気軽にお問合せください。