家を買うためには、ローンを組む必要があります。
念願のマイホームですが、金利はなるべくおさえたいと考える方も多いのではないでしょうか?
しかし、多くの人は家のローン金利を下げる方法を知りません。
もちろん、必ず金利が下がることは保証できませんが、交渉次第で毎月支払う利息が少なくなる可能性があるならば、チャレンジしたいもの。
この記事では住宅のローン金利を下げる方法やコツを解説していきます。
最後までご覧頂き、マイホーム購入の参考にして頂ければ幸いです。
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住宅ローン金利を下げる方法は交渉にあり
住宅購入で利用するローンの利息は、下げる事ができる場合があります。
ここでは交渉について詳しく解説していきましょう。
– 引き下げの相談がうまくいパターン
銀行で引き下げの交渉ができる
近年まで、家のローン金利の引き下げは基本的に難しいとされてきました。
しかし、現在はローンの借り換えをする人が増加しており、銀行や信用金庫では顧客の流出を防ぐため、金利の引き下げに応じているところが増えています。
ただし、すべての顧客がうまくいくわけではありません。
金利を引き下げられるかは担当者次第という事もあります。
また、最近では借り換えを検討している顧客を対象とした利率を下げたプランを打ち出している銀行もあります。
引き下げの相談がうまくいパターン
銀行との引き下げの相談がうまくいくパターンは以下のような場合が多いです。
- 他銀行金利が低い場合
- 住宅ローン契約をしている銀行に預貯金が多額にある
- 借り入れ当時よりも収入がアップしている
他の銀行の金利が低い場合
自分のメインバンクよりも、他行の方が低金利の場合、交渉が有利になる事があります。
事前に他行の仮の審査を申請、合格した状態で問い合わせましょう。
銀行や信用金庫にとって、ローンの借り換えによる顧客流出は利益の減少に繋がります。
そのため、顧客への条件によりますが、問い合わせに応じる事が多くなります。
借り入れ銀行に預金がたくさんある
融資を受けているメインバンクに多額の預金を預けている人は、金利が有利になる事があります。
銀行などは、預金残高が多い顧客に対して返済能力が高いと見られ、信用が上がります。
借り入れ当時よりも収入が上がった
借り入れ当時より収入が上がっているなら、交渉がうまくいく確立が上がります。
年収アップは住宅ローンに対する返済能力の高さと比例します。
さらに融資を受けている銀行で、公共料金の支払いや給料の受け取りをしている人も交渉がしやすいです。
住宅ローン金利を下げる方法の具体的なやり方
ここでは実際に利率を下げる方法を具体的に解説していきます。
銀行側と金利の交渉をしていくとは、どうしたらよいのか分からない人も多いはず。
上手な交渉は、事前準備やタイミングが大切です。
ぜひ参考にしてください。
– 優遇金利を目標に相談してみる
– 銀行の期末時期に相談する
– 金利の引き下げをストレートに伝える
他行で借り換えの仮審査を受けておく
住宅ローンの引き下げは、他行の仮の審査をうけて申請を通しておくなど、「借り換えを検討していますよ」という意思表示をしておくのがポイントです。
そのために、主なメガバンクとネット銀行、地方銀行の金利をまとめておきました。
それぞれの銀行の金利になります
参考にしてみて下さい。(※変動している場合があります)
【ネット銀行 金利一覧(2022年3月時点)】
ネット銀行 | 変動金利 | 全期間固定金利(35年) |
auじぶん銀行 | 0.310% | 1.490% |
PayPay銀行 | 0.380% | 1.560% |
住信SBIネット銀行 | 0.410% | 1.590% |
新生銀行 | 0.450% | 1.350% |
楽天銀行 | 0.537% | なし |
イオン銀行 | 0.520% | なし |
【地方銀行 金利一覧(2022年3月時点)】
地方銀行 | 変動金利 | 全期間固定金利(35年) |
横浜銀行 | 0.440% | 1.500% |
千葉銀行 | 0.625% | 1.960% |
京葉銀行 | 0.725% | 1.460% |
静岡銀行 | 0.625% | 1.300% |
常陽銀行 | 0.625% | なし |
【メガバンク(2022年3月時点)】
メガバンク | 変動金利 | 全期間固定金利(35年) |
みずほ銀行 | 0.375% | 1.170% |
三菱東京UFJ銀行 | 0.475% | 1.800% |
三井住友銀行 | 0.475% | 1.570% |
りそな銀行 | 0.470% | 0.995% |
※変動金利:住宅ローンの借り入れ期間中、半年ごとに見直される金利。見直された金利はすぐに反映はされず、5年間は同じ金利に据え置き
※全期間固定金利:借り入れ申し込み、もしくは融資開始時点から完済までの金利が一定のもの
優遇金利を目標に相談してみる
金利には「基準金利」と「優遇金利」の2種類があります。
基準金利というのは、家のローンの利益とコストを考慮して決められた基準となるものです。
優遇金利とは、基準金利よりも一定の割合で利率が低くなっているものです。各銀行で定めた条件を満たしている顧客が対象となります。
金利の引き下げは優遇金利を最終目標とするとよいです。
優遇金利はそれぞれの銀行で利率が異なっているので、事前に調べておくと役立ちます。
銀行の期末時期に相談する
金利の相談については、タイミングについても重要になります。
特に交渉がうまくいきやすいのは決算時期です。
銀行などでは期ごとに目標融資額を設定しています。
そのため期末に近づくと目標融資額を達成するために、融資を受けやすくなるといわれているのです。
一般的に銀行を含めた企業の決算時期は9月と3月です。
したがって、金利の交渉を狙うなら決算時期の9月と3月を狙うのがよいでしょう。
ただし必ずうまくいくというわけではありません。
前項までに述べた事前準備を怠りなく実行しましょう。
金利の引き下げをストレートに伝える
銀行窓口や融資担当者へ連絡する際は、金利引き下げに関しての要望をストレートに伝えましょう。
また、以下の具体的な材料も提示するのがおすすめです。
- 他行への借り換えを検討していること
- 仮審査に通っていること
- 借り換え候補の銀行の利率が○○%低いこと
- 借り換えよりも引き下げが可能なら現行で継続したいこと
上記4つの内容を伝える事で相談がしやすくなるでしょう。
仮審査が通っている場合、証明できる資料も用意しておくと良いです。
相談内容はあくまで現行で継続をしたいという姿勢を忘れずにしてください。
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住宅ローン金利の引き下げに関する注意点
ここまでで、住宅ローン金利を下げる方法に必要な準備や具体的なやり方などを解説してきました。
では次に、交渉に関する注意点について紹介していきます。
– 金利を下げるには再審査が必要
– フラット35は金利の引き下げができない
金利は必ず下げられるわけではない
住宅ローンの利率は必ず下げられるものではありません。
また、利率を下げる際に手数料が発生する場合もあるので注意しましょう。
交渉に失敗しても問題はない!
もし、銀行側に金利を下げてもらう交渉に失敗しても、銀行の信頼関係については変わる事はありません。
交渉に関しての手数料が発生する事もないので安心してください。
また、交渉に失敗したら、実際に他行に借り換えを検討してみるのもおすすめです。
金利を下げるには再審査が必要
金利の引き下げを行うには、再審査を行う事が必要です。
そのため、融資先の銀行以外の信用情報も大切になってきます。
信用情報は主にクレジットカードやカードローンの借り入れや返済状況、携帯料金等の支払い能力、延滞や滞納履歴や債務整理などの過去がないかが記録された情報です。
銀行などの審査では、必ず信用情報の記録を照会します。
そのため、日頃から信用情報にキズがついてしまうような生活は極力避けていくのがよいでしょう。
フラット35は金利の引き下げができない
フラット35を利用している場合、金利の引き下げはできません。
フラット35とは全国300以上の民間の銀行と政策銀行である「独立法人 住宅金融支援機構」の支援を受ける融資制度です。
「長期固定金利住宅ローン」と呼び、借り入れ期間は最長で35年、頭金10%以上、返済期間が21年〜35年で金利は1.430%となっています。(※商品がフラット35の場合の金利体系)
フラット35は民間銀行と政策銀行の融資制度のため、個人に合わせて融資条件を変える事ができませんが、返済困難になった場合、以下のような対策ができます。
- 返済期間の延長
- 月々の返済額を減額(一定期間)
- ボーナス返済の減額、またはとりやめ
返済方法を変更すると、月々の支払いが楽になるため、知っておくだけでもよいでしょう。
しかし、合計の返済額が変わるという事はない為、返済する期間は長期化します。
したがって、全体の支払い利息も増えてしまう事は頭の片隅にいれておきましょう。
まとめ
この記事では住宅ローン金利を下げる方法を紹介してきました。
念願のマイホーム。購入と同時に不安になるのが住宅ローンの支払いと利息です。
金利は出来るものなら下げていきたいものです。
最後に、住宅ローン金利を下げる方法のポイントをまとめていきましょう。
- 住宅ローン金利は引き下げの相談をする事ができる。
- 引き下げ相談のやり方
- 他行の借り換え仮審査をしておく
- 優遇金利を調べ、目標引き下げ幅にする
- 期末決算時期に相談する
- 金利引き下げの要望がストレートに
- 金利の引き下げは必ずできるわけではない
- 引き下げには再審査が必要
- フラット35は引き下げの相談ができない
この記事が住宅ローン金利の引き下げの相談のお役に立つ事ができれば幸いです。