マンションの多くは、鉄筋コンクリート造(RC造)と呼ばれる構造で建設されていて、国土交通省によると、鉄筋コンクリート造マンションの物理的寿命は117年と推定されています。
しかし、実際には建設後築60年以内にほとんどの物件が、耐震性を維持するための建て替え工事を実施済みです。
2033年には、築50年以上のマンションは130万戸近いと発表されていますが、築50年以上のマンションはいつまで住むことが可能なのでしょうか。
マンションの寿命や資産価値を見極めるポイントや、購入前の注意点を解説します。

マンションの寿命は建築年度で変わる
マンションの寿命はそれぞれマンションにより異なります。
建築後、何年経過すれば解体しなければいけないという決まりはありません。
全ての建築物に、耐用年数が設定されていますが、マンションの耐用年数は47年です。
耐用年数とは建築物の寿命とは違い、税務上定められている年数を指します。
建物の資産価値を計算し、毎年減価償却をするための目安になる年数のため、実際のマンションの寿命とは大きく異なります。
一概にマンションの寿命は何年と決まっておらず、日々のメンテナンスや定期的な大規模修繕工事を適切に行うことが大切です。
– 【長期的に住めるポイント②】修繕計画
【長期的に住めるポイント①】維持管理
マンションの寿命に直結する大きなポイントの一つが日々行われている維持管理です。
専有部分は、物件の所有者が管理する範囲ですが、所有者全員が使用をする共用部分は毎月支払う管理費で雇われている管理会社の担当者が清掃を行います。
また、すぐに修繕ができる小さな内容は修繕積立金を使用せず、管理費から捻出しているマンションも存在します。
管理組合の総会は定期的に開催され、所有者は全員議決権を持っていますが、維持管理の方針を提案するのは管理会社です。
そのため、管理の経験が豊富で信頼のできる管理会社に管理を依頼しているか、必ず確認しましょう。
【長期的に住めるポイント②】修繕計画
マンションの寿命を左右するもう一つのポイントは、長期修繕計画です。
ほとんどのマンションは長期修繕計画と呼ばれる、大規模修繕工事をいつどのタイミングで行うか予定を立てています。
大規模修繕工事とは、マンションの建物自体や共用設備を定期的に修繕すること。
この工事を定期的に行っているか否かで資産価値に大きな影響を与えます。
言葉の通り内容は小さな工事ではなく、外壁や屋根、バルコニー、エレベーター、廊下や階段など専有部分以外を工事する計画です。
おおよそ13~16年周期で行われ、大きな工事となると一度に数千万円の費用がかかるケースも少なくないため、修繕積立金を毎月住民から徴収しています。
しかし、修繕積立金を滞納している住民がいるマンションも少なくありません。
長期にわたって修繕積立金を滞納してしまうと、管理会社が物件を競売にかけて強制的に所有者は退去しなければなりませんが、競売にかけるタイミングは滞納後、何年や何円かマンションによって異なります。
競売後は、滞納額を新たな所有者に請求しますが確実に回収できる保証はなく、修繕積立金が足りなければマンションを適正な時期に修繕できない可能性が高まります。
そのため、築50年以上のマンションを購入するには、修繕積立金の滞納がないか管理会社に聞いておきましょう。
築50年マンションは買っても大丈夫?注意点を解説
築50年以上を経過しているマンションは、「物件の価格が安い」「高度経済成長期に建設をされた物件が多く高級感がある」といった点が魅力的です。
また、新築マンションと違い今までの修繕積立金の額や滞納の有無を確認でき、購入前に買っても大丈夫なのか判断する材料が豊富にあります。
中古マンションは、生活スタイルにあったリノベーションができる点も大きなポイント。
しかし、築年数が経過している物件は注意すべき点がゼロではありません。
後悔のないように、確認しておくことが大切です。
2. 建物自体の老朽化
3. リノベーションが可能な物件であるか
1. 耐震性
1981年以降に建設されたすべての物件は震度6強、7程度でも倒壊しない水準の新耐震基準をクリアしています。
しかし、旧耐震基準の物件が、地震が起きると倒壊してしまうのかといえば、すべての物件がそうとは言い切れません。
旧耐震基準の物件でも、適切なタイミングで修繕工事を実施していることや、築後一定年数経過してから耐震補強を行っていること、物件が建っている土地の地盤が強いことなど地震に対策をとっていれば、地震に耐え
うる強さをもっているマンションも存在します。
耐震性に不安があれば、プロに耐震診断を依頼することも一つの手です。
≫≫中古マンション選びで気になる耐震基準!過去の被害状況から選び方を解説
2. 建物自体の老朽化
目に見える建物の老朽化が分かる物件の購入は避けておきましょう。
中古マンションの内見時に外壁のひび割れや、手すりのサビなど目視できる点は確認しておきたいポイント。
また、管理会社が大手で経験が豊富だと日々のメンテナンスも安心して任せることができます。
しかし、中古マンションを内見する経験が何回もある人は少ないはず。
素人目線の確認では不安要素が残るため、仲介をしてもらう業者に老朽化について確認を依頼しましょう。
3. リノベーションが可能な物件であるか
実は、マンションの中にはリノベーションができない物件が存在します。
リノベーションができない物件を購入してしまうと、物件の資産価値に響くだけでなく、生活スタイルにあった間取りが実現できません。
購入を検討する前に、リノベーションが可能かプロの工事業者の確認が必須です。
業者に依頼をする前の確認ができる項目は、マンションの管理規約で工事内容の制限がないか、水回りに漏水箇所がないか、メンテナンス履歴が確認できるか、マンションの構造が壁式構造ではないかといった点です。
水回りに漏水があると、リノベーションが予定より高額になってしまうため、購入は避けておいた方が無難です。
また、壁式構造の場合は、壁で建物の構造を支えているため、要望する工事が行えないケースがほとんど。
後悔のないように気を付けましょう。
資産価値のある中古マンションを見極める方法
マンションの資産価値には、築年数、立地、リノベーションの可否、日当たりが大きく影響します。
ターミナル駅に近いことや、人気のエリア、治安の良い地域は人気が高く資産価値も高まります。
日当たりで最も人気が高いのは南向き。
築50年以上で南向きのマンションの資産価値をさらに高める方法は、室内のリノベーションです。
– 中古マンションはリノベーションして売却も可能
中古マンション購入ならリノベーションは必須
中古マンションの中には、リノベーションができない物件も存在することから、購入前の確認が必須です。
不動産会社は、物件を売買するプロですが工事内容や建物の構造に関しては詳しくない可能性があります。
リノベーションできない物件の購入を避けるために、ワンストップサービスに対応しているリノベーション会社に物件探しを依頼しましょう。
ワンストップとは、物件探しからリノベーション工事まで一つの会社が対応をすることです。
リノベーションをする前提で購入予定なら、不動産会社とリノベーション会社の担当者と密に連絡を取り合う必要があり、時間や手間がかかってしまいます。
その点、ワンストップに対応している会社に物件探しの依頼をすれば全ての窓口を一社で対応してくれます。
また、物件購入時にかかる仲介手数料を無料にしている会社を選ぶと手間だけでなく費用も大幅な節約が可能です。
≫≫【東京編】ワンストップリノベーション会社7選をランキング形式で比較!
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中古マンションはリノベーションして売却も可能
中古マンションは、売却時にリノベーションしている物件だと販売価格を高く設定できますが、リノベーションしているだけで売却に付加価値が付くとは限りません。
売却をする予定なら、個人的な好みは考えず万人受けのデザインや間取りにすることが大切です。
一般的に中古マンションは、現状有姿と呼ばれるありのままの状態で取引されるケースが多く、売却時に物件に費用をかける人は多くありません。
しかし、ほかの中古マンションと比較をした際に、リノベーション済みの物件は使用感がなく見た目の印象がとてもよく感じます。
買主を早く見つけるためには、資産価値を高める内容のリノベーションが大切です。
マンションのリノベーション経験が豊富な業者に依頼をしましょう。

まとめ
築50年以上のマンションは、販売価格が相場より低く魅力的ですが、資産価値を高めるリノベーションを行うことが大切です。
購入後に後悔のないように、いつまで住めるか大規模修繕の履歴を確認しましょう。
今まで定期的に修繕が行われていて、今後の長期修繕計画もきちんと計画されていれば安心です。
資産価値を高めるリノベーションを行うなら、ワンストップサービスに対応しているリノベーション会社に依頼をすること、中古マンションを購入するなら、仲介手数料を無料にしてくれる会社を選択することでお得にマイホームを手に入れることができます。