中古マンションを売買する際、価格相場を調査することは重要です。インターネットを利用して客観的な情報を入手しましょう。
価格相場を知りたい方のために、この記事では2023年中古マンションの価格相場と市場動向を解説します。
また、以下の通り中古マンションを売買するにあたって有益な情報も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
中古マンションの価格相場を調べる3つの方法
年収に応じた中古マンション購入の適正価格
中古マンションを購入するならリノベーションもセット
2023年中古マンションの価格相場と市場動向
2023年中古マンションの価格相場と市場動向について解説します。
中古マンションは新築と異なり定価がありません。不動産物件として他に存在しない唯一のものとして考えられるからです。中古マンションの価格は、さまざまな要因による取引の結果から決まります。
要因としては立地条件、広さや建築年数などが挙げられます。また、周辺の施設によっても変わりますのでさまざまな条件が影響します
– 中古マンションの市場動向と今後の価格推移
– 中古マンションの価格下落について
中古マンションの価格相場
2023年4月時点における中古マンションの価格相場は、以下の通りです。
出典:東日本不動産流通機構発表「月例速報Market Watch サマリーレポート」
首都圏エリアにおける平均価格相場は、4,486万円が相場です。
また、前年同月比において件数は若干減少しているものの、㎡単価と価格は上昇しています。
成約㎡単価については2020年5月から36か月連続で上昇中となり、成約価格は2020年6月から35か月連続で上昇中です。
首都圏エリアは突出しており、他エリアの相場は以下の通りとなっています。
エリア | 費用相場 |
北海道・東北エリア | 2,235万円 |
中部エリア | 2,213万円 |
近畿エリア | 2,214万円 |
中四国・九州エリア | 2,114万円 |
≫≫ 東京23区ごとの中古マンションの相場と今後の価格推移を徹底解説!
中古マンションの市場動向と今後の価格推移
2023年4月時点における各エリアの市場動向は、以下のように推移しています。
㎡単価 | 前年同月比 | 成約価格 | 前年同月比 | |
首都圏エリア | 70.17万円/㎡ | +2.1% | 4,486万円 | +2.8% |
中部エリア | 30.29万円/㎡ | +5.1% | 2,215万円 | +3.4% |
近畿エリア | 39.91万円/㎡ | +5.0% | 2,730万円 | +5.9% |
中国エリア | 29.6万円/㎡ | ▲ 5.9% | 2,137万円 | ▲ 7.5% |
四国エリア | 23.6万円/㎡ | +6.6% | 1,737万円 | +10.4% |
九州エリア | 33.0万円/㎡ | +0.5% | 2,193万円 | ▲ 1.5% |
2023年4月において㎡単価と成約価格は、中国エリアを除き全国的に昨年同月比で上昇傾向でした。上記データを見る限り、中古マンション市場は盛況といえます。
中古マンションの価格下落について
中古マンションの価格下落は、当面は考えにくいでしょう。
東京カンテイの調査データでは、2022年の中古マンション平均価格が4,716万円の前年比+ 13.2%でした。近畿圏や中部圏と比較しても大きく伸びています。
出典:東京カンテイ「三大都市・主要都市別/中古マンション70㎡価格年別推移」
もし、下落の兆候があるとすれば、一旦の頭打ちで価格上昇が収まる動きを見せる可能性はあるでしょう。
また、マンション価格の相場においては、政策金利もポイントになります。
住宅ローン金利に影響があるからです。2022年12月に長期金利の変動幅を0.5%まで引き上げることを決定しました。若干の上昇は考えられるのものの依然として低金利と言えます。
2023年4月に日銀総裁が黒田氏から上田氏に交代しましたが、従前の金融緩和を続ける旨の声明を発表しているため、当面は現状が続く可能性が高いです。
住宅ローンも低金利が続くのであれば中古マンション価格の下支えとなる可能性も高いでしょう。
逆に金利が上昇した場合は、中古マンションの価格下落が想定できます。金利上昇によりローン返済が滞り、マンションを手離す人が出てくる可能性があるからです。
中古マンション購入や売却を検討している方は金利に関する政策にも注視していく必要があります。
中古マンションの価格相場を調べる3つの方法
中古マンションの価格相場を調べる方法を3つ解説します。どれもインターネットで調べられますので、ぜひ参考にしてください。
– 不動産取引情報サイトレインズで調べる
– 国土交通省の土地総合情報システムで調べる
不動産のポータルサイトで調べる
まず、不動産ポータルサイトで調べる方法があります。不動産ポータルサイトとは、不動産物件を紹介している窓口のサイトです。
ポータルサイトに登録されている物件の情報を閲覧できます。問い合わせすると、不動産会社に繋がる仕組みとなっています。
日々更新されているサイトも多く、こまめにチェックすれば最新情報を手に入れられます。なお、物件により登録されているポータルサイトは異なるので複数閲覧するのがおすすめです。
不動産ポータルサイトは、希望するエリアで条件を絞って検索できるメリットがあります。予算や、㎡数、最寄駅からの徒歩分数などご自身の希望条件に合った物件が非常に探しやすくなっています。
また、条件を登録していれば、新着物件をメールなどで通知するサービスもありますのでご自身が毎日ずっとチェックする必要が無いのもおすすめできるポイントです。
ただし、不動産ポータルサイトの数も多く、ご自身に合ったサイトを見つけることが重要です。
主要ポータルサイトは「SUUMO」「LIFULL HOME’S」「アットホーム」といわれており、ユーザー数も集まっています。
ポータルサイト名 | 特徴 |
SUUMO | リクルートが運営。「オリコン日本顧客満足度ランキング」などの顧客満足度調査で1位を獲得。物件情報の写真が多い。 |
LIFULL HOME’S | 総掲載物件数No,1。匿名査定で概算価格の受け取りサービスあり。DIYや保険に関わるサービスあり。 |
アットホーム | 加盟・利用不動産店数が多く、週2回物件チラシを店舗に届けるサービスがあるなど不動産会社との距離が近い。 |
他にも大東建託株式会社や株式会社センチュリー21ジャパンなど大手の不動産会社が運営しているポータルサイトもあります。
不動産ポータルサイトを上手な使い分け方として、特色ごとに選びましょう。
通勤時間で検索する、エリアごとの相場が分かるサイトなどご自身が使いやすく便利なサイトを探してください。
もし迷った場合は、主要な3つのポータルサイトから使ってみるのがおすすめです。
不動産取引情報サイトレインズで調べる
次に、不動産取引情報サイトであるレインズを利用するのもおすすめです。
レインズは国土交通大臣指定の国が認めたシステムとして不動産の情報を公開しております。かなり信頼性が高いといえます。
レインズの綴りは「REINS」です。Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字を取っています。
レインズでは、毎月の中古マンションと中古戸建住宅価格のデータを公開しております。月ごとのデータの他、季節ごと、年ごとのデータも記載されております。
サマリーも掲載されており、丁寧な説明が載っているので、数字だけではよく分からない方にとっても参考になります。なお、物件の売買に際しても査定や契約のサポートもしてくれる頼もしい存在です。
不動産取引を行う上で、欠かせないインフラのような存在として不動産売買に活用されております。
なお、レインズは以下の4つに分かれており、サイトも異なりますので注意が必要です。
◾️|東日本レインズ
◾️|中部レインズ
◾️|近畿レインズ
◾️|西日本レインズ
国土交通省の土地総合情報システムで調べる
最後に、土地総合情報システムについて解説します。
土地総合情報システムは国土交通省が提供しているウェブサイトです。実際に行われた不動産の取引価格や標準値や基準値の価格を参照できます。
不動産の相場を知る上で、最も信頼性が高いシステムと言えます.
不動産の相場は不透明な場合が多く、不勉強な売主や買主が損をする可能性もあるので、国が取引の公正化を図るために情報を提供しています。
ただし、提供している情報は、中古マンションの情報は取引総額や間取りおよび広さ、築年数までとなっており、具体的にどの物件かは分かりません。
また、取引総額は土地と建物の合計であるため、判断が難しくなります。
他のサイトの情報と照らし合わせて利用するのが良いでしょう。
土地総合情報システムは、あくまで相場を知るツールとして利用してください。
年収に応じた中古マンション購入の適正価格
ここでは、年収に応じた中古マンション購入の適正価格について紹介していきます。
相場を理解した上で、購入したいマンションを見つけたら住宅ローンの毎月返済額を計算してみましょう。
ご自身の年収を考慮して無理の無い価格であることが重要です。
年収により金融機関からの借入可能額も変わりますので慎重に検討してください。
– 中古マンション購入時の月々の支払額
中古マンション購入は年収の5〜7倍が適正価格
中古マンション購入は、年収の5~7倍が適正価格と言われています。
詳細は住宅金融支援機構が公開している2021年度の「フラット35利用者調査」で分かります。
調査によると、フラット35を利用して中古マンションを購入した方の年収倍率は全国平均で5.8倍となっていました。
地域別に見ると首都圏が最も高く6.1倍、近畿圏が5.6倍、その他地域が4.9倍でした。
目安として以下の表をご覧ください。
年収 | 中古マンション購入価格の目安 |
300万円 | 1,500万円~2,100万円 |
400万円 | 2,000万円~2,800万円 |
500万円 | 2,500万円~3,500万円 |
600万円 | 3,000万円~4,200万円 |
700万円 | 3,500万円~4,900万円 |
800万円 | 4,000万円~5,600万円 |
900万円 | 4,500万円~6,300万円 |
1000万円 | 5,000万円~7,000万円 |
バブル崩壊直後は年収倍率は5倍程度といった風潮がありましたが、住宅ローン金利が超低金利になっていたため、多少年収が低くとも高価なマンションに手が届く人が増えたのが実情です。
金利の推移によっては今後の年収倍率も変化していくでしょう。
≫≫ 共働き世帯の年収に見合うマンション購入のポイントを分かりやすく解説
≫≫ 独身女性のマンション購入に関するデータを解説!年収や事例もご紹介
中古マンション購入時の月々の支払額
中古マンション購入時の月々の支払額を紹介します。以下の条件での計算となりますので参考にしてください。
【条件】
◾️|住宅ローンは全期間固定金利1.3%の35年ローン
◾️|借入額は年収の15%とする ※ローン返済額は35年分
◾️|元利均等法を利用
◾️|ボーナス返済は無し
◾️|頭金はローン借入金の1割程度とする
また、マンションの場合管理費および修繕積立金を支払う必要があります。マンションによって異なりますが、月3万円程度追加になるとお考え下さい。
年収 | マンション購入額(=ローン借入額) | ローン月々支払額 |
300万円 | 1743.5万円(1,585万円) | 約4.7万円 |
400万円 | 2,310万円(2,100万円) | 約6.2万円 |
500万円 | 2887.5万円(2,625万円) | 約7.8万円 |
600万円 | 3,465万円(3,150万円) | 約9.3万円 |
700万円 | 4,042.5万円(3,675万円) | 約10.9万円 |
800万円 | 4,620万円(4,200万円) | 約12.5万円 |
900万円 | 5,197.5万円(4,725万円) | 約14.0万円 |
1000万円 | 5,775万円(5,250万円) | 約15.7万円 |
実際の支払金額は金利や頭金の金額、ボーナス返済の有無などで大きく変化します。
借入に関しては、不動産会社や銀行と相談の上、返済し続けられる範囲で決めましょう。
≫≫ 初心者でも分かる住宅ローンの正しい選び方は?3種類の金利や審査について解説
中古マンションを購入するならリノベーションもセット
中古マンションを購入するならリノベーションもセットで考えましょう。メリットとして以下があげられます。
◾️|安価で理想的な住まいが手に入る
◾️|物件の選択肢が増える
新築の物件を購入する場合と比べて、リノベーション費用を含めても中古マンション購入の方が安くなる可能性があります。
また、新築物件に限ってしまうと選択肢が少なくなってしまうでしょう。
希望の立地やエリアで見つけたい場合、中古マンションを含めれば選択肢が広がります。
– リノベーションが不可な物件に注意
– 中古マンション購入時の仲介手数料が無料の会社を選定
中古物件購入+リノベーションの事例
中古物件を購入したあとのリノベーションの事例として上記の動画を参考にしてください。
この動画では87㎡の中古マンションを3LDKにリノベーションした事例を紹介しています。
理想的な天井高2.7mを実現しており、高い収納性と高級感を兼ね備えたリノベーションを実施した事例です。
リノベーション業者としっかり相談することで、動画のように新築と遜色ない形で買主の理想的なお住まいが実現できます。
当該事例は87㎡を1,300万円で実施したので㎡単価は約15万円です。「フラット35利用者調査」によると中古マンションは㎡単価は約44万円です。
同調査によれば新築マンションの㎡単価は全国平均で約70万円なので中古マンション+リノベーションの組み合わせで、新築マンションより理想的な住まいが手に入れられる可能性は高いでしょう。
リノベーションが不可な物件に注意
中古マンションの中にはリノベーションが不可の物件もあります。
リノベーションを検討している場合、リノベーション可能な物件も調査しなくてはいけません。
ただでさえ検討すべきことが多い物件探しですので、ご自身だけで調査するのは非常に難しいでしょう。
そこでおすすめなのは、物件の調査からリノベーションまでワンストップでサポートしてくれる業者を利用することです。
ワンストップリノベーション業者は物件選び、住宅ローンの相談、リノベーションの設計・工事、アフターフォローまで全て任せられます。
本来、複数の企業に相談するところをひとつの業者への相談で済むのは非常に楽で、コストメリットも大きいです。
手間をかけずにリノベーション物件が欲しいのであればワンストップリノベーション業者を探しましょう。
≫≫【東京編】ワンストップリノベーション会社7選をランキング形式で比較!
中古マンション購入時の仲介手数料が無料の会社を選定
中古マンションを購入するなら、仲介手数料が無料の会社を選定しましょう。
不動産物件を購入する際、意外と負担額が高いのが仲介手数料です。
最近は仲介手数料が無料の業者も増えています。顧客獲得のための競争があるからです。国土交通省の発表によると宅地建物取引業者数は10万を超えており競争が激化しております。
他社との差別化のため、仲介手数料を無料化している業者が増えているようです。
また、インターネットの発達により業務効率化によりコストが削減できている業者は、仲介手数料も削減できている可能性がありますので、仲介手数料無料の会社を探してください。
≫≫【東京都】中古マンション購入時の仲介手数料無料会社おすすめ3選
まとめ
この記事では、中古マンションの価格相場を調べる方法と適正価格で購入するためのポイントを解説しました。
中古マンションの価格相場は上昇基調にあります。ただし、政策や世界情勢によりいつ風向きが変わってもおかしくありません。
また、ワンストップリノベーションを依頼できる業者や仲介手数料が無料の業者についても解説しましたので、ぜひ参考にしてください。
ワンストップリノベーション業者や仲介手数料の業者を上手に活用してご自身の理想的なお住まいをゲットできるよう祈っております。