マンションを購入する際のポイントとして、立地や専有面積、間取りのほかに所在階数は重要な点です。
マンションは階数によって販売価格や住み心地が大きく異なります。
一般的に階数が高くなるほど、人気と価格は上がり、低くなるほど価格は下がっている傾向です。
階数が上がるごとに0.5%~2.5%ほど上昇すると言われているため、1階が3,000万円で販売されている物件は、5階部分は3,075~3,375万円と仮定されます。
建築基準法により、5階、10階、14階建ての物件が多く建設されていますが、生活スタイルによりメリットやデメリットを感じる階数があります。
この記事では、マンションの5階の高さや住んだ時のメリット・デメリット、5階の人気が高い理由を解説しています。
予算と要望、譲れない点を確認して後悔のない物件を探しましょう。
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マンションRC5階の高さ
RC5階の高さは約15メートルですが、建設されている地域によって建築物の高さには制限があります。
5階の物件の購入を検討したときに、物件自体の高さや住み心地を調べることはもちろん、同じ地域にどのような高さの建物が建設できるのか知っておくことも重要です。
周辺の環境を知っておくことは、将来の眺望や資産価値の調査にも繋がるため、一般的なマンションの階高や、建設物の高さを決める3つの建築基準法を解説していきます。
– 高さを決める3つの建築基準法
5階の高さは約15メートル
マンションの階高は2.5~3メートルが多く、5階の高さは単純に計算をすると約15メートルです。
二階建ての一軒家は一般的に6~7メートルほどの高さになるため、倍以上の高さがあり、周辺に一戸建てしかない地域だと眺望や日当たりのメリットを存分に感じることができます。
しかし、建築基準法によりエレベーターを設置する義務のある建物の高さは31メートル以上です。
そのため、5階建マンションの場合はエレベーターがない可能性があります。
エレベーターがないマンションは、毎回階段を利用する必要があり、大きな荷物や家具家電の運搬が大変です。
そして、引っ越し費用が余分に必要なことや、子育て世帯は子どもが階段の昇り降りが可能か確認しておきましょう。
ベビーカーを使用する子どもがいる家庭は、移動が困難になるため何か方法を検討する必要があります。
反対にエレベーターがなければ、保守点検料や電気代、修理費用といった所有者全員で負担をする費用が必要ありません。
その分、管理費や修繕積立金が安くなり、ゆとりのある生活や返済計画を立てられる点が大きなメリットです。
高さを決める3つの建築基準法
建物を建設する際に高さを決める基準となる法律は建築基準法の中に3つあります。
- 道路斜線制限
- 高度地区
- 日影規制
「道路斜線制限」は、建物の高さを「マンションの敷地と接している道路」の反対側の境界線までの距離の1.5倍以下にしなければならないという法律です。接している道路とは前面道路のことで、道路の幅員が最も重要になります。
センターラインのある二車線だと一車線の幅は2.75~3.5メートルが多いため、センターラインのある道路の幅員は5メートルを超えます。
一車線のみの道路は3メートルか4メートルと定義されています。
前面道路の幅員が10メートル以上あれば5階建てマンションの建設が可能です。
「高度地区」とは、建物の高さの制限を定めている地区のこと。
市街地環境の維持などを目的としている法律で、「絶対高さ制限」などが含まれます。
自治体により定められている法律が異なるため、都市計画図や区役所で調査をする必要があります。
「日影規制」も建築基準法の高さ制限のひとつです。
冬至の日を基準として、全く日の当たらないことがないように建物の高さを制限する法律で、1970年ごろに高層ビルやマンションの建設ラッシュが続き、日照に関する問題が浮き彫りになったことから制定されました。
地域により規制が異なるため、今後周囲に高層ビルが建設される可能性があるか該当のマンションがある地域の法律を知っておくとよいでしょう。
マンションRC5階が人気のある理由とは
RC5階は人気が高く、住み心地の良い点がメリットです。
眺望や、日当たり、虫の侵入が少ない点など人気のある理由は豊富にありますが、この記事では6つに絞って紹介します。
また、資産価値が下がりづらい中古マンションをお得に購入する方法を紹介しているので参考にしてください。
– 日当たりが良い
– 高さがあるためセキュリティは安心
– 5階なら階段の利用も許せる
– 虫の侵入が比較的に少ない
– 資産価値が下がりづらい
5階は眺望が良い
5階は眺望の良さがポイントです。
日本のマンションは、5階、10階、14階が多く建設されていますが、6階建てより5階建てが多い理由は、階段の数が要因です。
建築基準法では、6階以上の建物は原則として2つ以上の直結階段の設置が必要になります。
直結階段とは直接地上と繋がっている階段のことで、日常の生活はもちろんのこと、災害時にエレベーターが停止した場合に使用をする階段です。
5階建ての建物は1つ階段を設置していれば問題なく、6階建てと比べ建設コストがかからないため、5階建てが多く採用されています。
同じ用途地域にあるマンションは比較的同じような高さが多く、5階は眺望が良いと言われています。
日当たりが良い
低層階は駐車場やエントランスから近いといった利点がありますが、階数が高いと太陽の恩恵を存分に受けられる点が特徴です。
ベランダが向いている方角にもよりますが、日当たりが良いと洗濯物が乾きやすく、部屋干しの匂いが気にならず、光熱費も削減できます。
また、日当たりの良い部屋は湿気がたまらずカビの対策に有効です。
日当たりの良さを重視して高層階を希望する人も少なくありませんが、高層階になればなるほど夏場は太陽が近くなり、部屋の温度が上昇します。
5階でも日当たりによっては、部屋が暑くなる可能性も少なくないため、冷房が効きにくいと感じたときには、窓に遮熱シートを貼るなど対策を取りましょう。
高さがあるためセキュリティは安心
5階の物件は、セキュリティ面で安心度が高い点がポイントです。
令和3年のデータでは、住宅を発生場所とする侵入窃盗の検知数が全体で18,386件起こっていますが、その中の13,551件は一戸建てで発生しています。
そして、マンションなどの共同住宅でも階数によって差が生まれており、3階建て以下は3,245件、4階建て以下なら1,590件です。
5階は3階以下に比べると半分以下の発生件数で、戸建ては8倍以上危険度が増しています。(令和3年の刑法犯に関する統計資料(警視庁))
近年のマンションはオートロックや防犯カメラなど防犯に対する設備が整っている物件が多く見られますが、5階なら地上からの高さが確保され、さらに防犯面では安心といえます。
5階なら階段の利用も許せる
5階までなら、一日1、2階程度の階段の昇り降りであれば許せる人も少なくないのではないでしょうか。
日常的に何回も家を出入りする人や、足腰の弱ってきた老人、妊婦の人は事故をしてしまう危険性が高くなるためオススメできませんが、階段を利用することで、通勤時や災害時のエレベーターの混雑を避けるメリットがあります。
エレベーターがない物件はそもそも物件の価格が周辺の相場より安いといったメリットも。
引っ越しをする際に業者へ依頼するなら、エレベーターがない物件は階数が高くなるほど引っ越し代も高くなるので気を付けましょう。
虫の侵入が比較的に少ない
4階以上のマンションは虫の侵入が比較的少ないと言われています。
大前提として確実に虫がこない部屋は存在しませんが、一定の高さを超える物件の場合は虫に侵入されるリスクを軽減できます。
一般的に、ハエや蚊が飛行できる高さは10メートルとされています。
マンションの階高は3メートルのため、3階の天井から4階の床まで自力で飛行することは困難です。
しかし、風の強い日などは、10メートル以上の高さまで飛べる可能性も少なくないため注意が必要です。
虫が苦手な人は5階以上の階数を選択すると他の階に比べ、侵入が少なくなります。
資産価値が下がりづらい
低層階より資産価値が下落しにくい点が特徴の5階ですが、資産価値の下落率にはマンションの築年数も大きな要因です。
築20年ほどまでは、15~20%と下落幅が大きいですが、20年以降になると落ち着きます。
築30年以上ともなると、市場に比べ資産価値が高まる可能性も少なくありません。
お得に中古マンションの5階を手に入れるなら、物件購入時の仲介手数料が無料になる会社から購入することをオススメします。
仲介手数料とは、物件を購入する際に物件を紹介してくれた会社に支払う手数料のこと。
一般的に物件価格×3%+6万円+税がかかります。
3,000万円の物件を購入する場合は、約105万円もの仲介手数料を支払う必要があります。
この費用が無料になれば、リノベーション費用や引っ越し費用に充当することができるだけではなく、物件の頭金を支払うことも可能です。
中古マンションを購入するなら仲介手数料が無料になる会社に頼みましょう。
≫≫【東京都】中古マンション購入時の仲介手数料無料会社おすすめ3選
≫≫ リノベーションした中古マンションの資産価値を分かりやすく解説
マンション5階に住むデメリット
マンションの5階の人気の高い理由を紹介しましたが、住み心地に影響を与える可能性のあるデメリットも存在します。
低層階より物件価格が高い点は、中古マンションの購入を視野にいれることで対策を取れますが、そのほかにも気にしておくべきデメリットを3つ紹介します。
それぞれのデメリットにあわせて対策も紹介しているので、しっかりと確認してみてください。
– 交通量の多い場所なら排気ガスが届く
– 津波が届く高さである
下の階の住人へ生活音の配慮が必要
5階建てマンションの最上階だとしても、下の階の住民に対して生活音の配慮が必要です。
家電製品の生活音は、下の階に響かないように配置をすることや、直接床に置かないこと、周囲に防音シートを貼ることで対策がとれます。
育ち盛りの子どもがいる家庭や、ペットを飼っている家庭は足音や声の対策として、防音マットやカーペットがオススメ。
入居前には下の階の人に挨拶を必ず行い、良好な関係を築いておくことも大切です。
鉄筋コンクリート造は防音や遮音性に優れている点が特徴ですが、マンションによって壁や床の厚みが異なるため、購入前に構造の確認をしておきましょう。
交通量の多い場所なら排気ガスが届く
前面道路や付近に交通量の多い道路があるマンションは、排気ガスの影響を受けやすく注意が必要です。
自動車から排出される排気ガスは環境問題だけでなく、人体にさまざまな影響を及ぼします。
日常から汚染した空気を吸っていると、せんぞくなど呼吸器系の病気や、汚染された物質が皮膚に付着することでアトピーや皮膚障害などの症状が知られています。
そのため、幹線道路沿いの物件には気を付けましょう。
影響が気にならないとされているのは、都心部だと幹線道路から100メートルほど距離が離れている物件です。
また、ある程度の距離を保っていても排気ガスがベランダに干している洗濯物に付着すると汚れてしまいます。
外干しをしたい家庭は、道路の反対側にベランダのあるマンションがオススメです。
排気ガス以外にも交通量の多い道路付近は騒音が気になる可能性があります。
中古マンションの内見は昼夜問わずさまざまな時間帯で行うことが大切です。
しかし、人や車が多く通る道路は四六時中人の目が届くため、防犯対策になるという利点も。
こだわるポイントをしっかり見極めて要望に合う物件を見つけましょう。
津波が届く高さである
5階の高さは約15メートルです。
東日本大震災では、巨大な津波が襲ってきましたが、津波の最大高さは14.8メートルが確認されています。(防災情報のページ(内閣府))
そのため、15メートルの高さの5階部分にも津波が届く可能性があります。
しかし、地域やマンションが建設されている場所が大きく関わります。
全ての地点で最大の高さが計測されているわけではないので、建設されている地域の津波ハザードマップを確認することが大切です。
まとめ
マンションのRC5階の高さは約15メートルで眺望や日当たりの良さなど人気の高い理由がたくさんあることが分かりました。
新築マンションの販売価格が予算オーバーしていて、理想の階数が購入できないと感じている人は希望するエリアで中古マンションが販売されていないか探してみましょう。
同じエリアに建設されていても新築物件と中古物件の価格差は大きく、中古マンションを購入してリノベーションをしても新築マンションの販売価格より低くなるケースも多く存在します。
リノベーション会社はそれぞれ特徴がありますが、中古マンションの購入と同時にリノベーションを依頼するならまず物件購入時の仲介手数料が無料になる会社に問い合わせをしてみましょう。
物件をお得に購入しリノベーションをすることで、理想の住み心地を実現してくれる物件に出会える可能性は高くなります。
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