中古マンションは新築と比べて、価格がリーズナブルで不動産の中でも比較的購入しやすい物件です。
一方で築年数が古ければ古いほど、建物の老朽化や設備の劣化、耐震性が気になるところではないでしょうか。
購入するにあたり買い時の築年数を知ることは、物件を選ぶ際のポイントとなるため押さえておきたいポイントです。
この記事では、中古マンションの買い時でおすすめの築年数を中心に解説します。
また、マンションの寿命や物件を選ぶ際のポイントも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「中古マンションを後悔しないように購入したい」とお考えなら、ぜひこの記事を最後までご覧いただき、参考書代わりにご覧ください。
中古マンションの買い時の築年数とは
中古マンションの買い時築年数は約25年以内がいいとされていますが、現在では築40年以内であれば価格も安価で住宅ローン減税も対象なのでおすすめです。
2021年度まで中古マンションにおける住宅ローン減税の対象は「築25年以内」と条件が提示されていました。
築26年以降の場合、新耐震基準に適合していることの証明書が必要で、買い手からは避けられる要因でした。
2022年度から、中古物件の住宅ローン減税に関する大幅な緩和策が実施されたことにより、価格の安価な築26年以降の物件に脚光が浴びはじめます。
そのため、買い時の築年数は40年以内と幅が広がりました。
とはいえ、買い手側からすれば管理状態がよくリーズナブルな価格の物件を手に入れたいもの。
この章では、中古マンションの買い時築年数についてもう少し詳しく紹介していきます。
◉ 中古マンション購入時のおすすめ築年数
最も売買された中古マンションの平均築年数
東日本不動産流通機構(レインズ)の2024年2月のサマリーレポートによれば、中古マンションで最も売買されている平均築年数は23. 20年です。
また、首都圏における中古マンションの成約件数は前年よりも3.4%増加。
成約単価は前年よりも9.9%上昇しており、価格があがっても中古マンションを購入したい方が一定数いるということがわかります。
また、以前よりもリフォームやリノベーションが普及したことで、「中古物件=古い」というイメージを払拭できているのではないでしょうか。
古い物件だから購入を避けるというようなケースは、減少していると捉えることができます。
≫≫ 中古マンションをリノベして売却!成約築年数が上昇している訳とは
中古マンション購入時のおすすめ築年数
おすすめの築年数は26年以上の中古マンションです。
理由は、築26年以降の物件は販売価格が下げ止まり安定してくるためです。
また、耐震基準も「新耐震基準」に対応しているため安全面でもおすすめできます。
東日本不動産流通機構(レインズ)のデータから、中古マンションの築年帯別の平均価格を見ていきましょう。
築26年以降の価格帯が約1,500万円〜2,000万円で下げ止まり、同じ価格帯で推移しています。
また、新規登録物件の価格帯も築26年以降の値幅は同じ価格帯で推移。
画像引用:東日本不動産流通機構(レインズ)
これは、資産価値が購入時よりも下がる可能性が低く、売却も検討するなら底値あたりで購入できる中古マンションは買い時といえるでしょう。
耐震性では、1981年6月1日以降で建築確認を受けた建物かどうかで異なります。
新耐震基準では、震度6強から震度7程度の地震で倒壊・崩壊しないことが基準です。
地震の多い我が国日本では、耐震基準を満たす建物であることが安心・安全な生活を送るための大切なポイント。
そのため耐震性を考えて、築年数は古くても40年未満の中古マンションを選ぶのがよいでしょう。
販売価格た耐震性を総合的に考慮することで、築年数は26年以上40年未満がおすすめです。
とはいえ、物件を購入する場合は内見などで管理状態を確認したうえで購入しましょう。
中古マンションの築年数における資産価値と寿命
中古マンションの購入では、間取りやデザインなどの他に「資産性」にも注目すべきです。
将来のライフイベントに合わせて、住まいを売却することを念頭においておきましょう。
そのためには築年数と資産価値との関係性や建物の寿命も知っておく必要があります。
この章では中古マンションの築年数と資産価値や寿命について深掘りしていきます。
◉ 中古マンションの物理的な寿命
中古マンションの築年数と資産価値との関係性
マンションの築年数と資産価値は26年以上がポイントです。
マンションの資産価値は築26年以降で下げ止まり、同じ価格帯に安定してくるからです。
日本不動産流通機構(レインズ)のデータで見ていきましょう。
画像引用:東日本不動産流通機構(レインズ)
築5年以内の「築浅」と呼ばれる物件では、価格が6,000万円〜6,500万円と高いです。
これは新築物件として高い需要があるのと、新しい物件ということでの価値が高いことが考えられます。
築6年以降、販売価格はぐっと下落していきます。
これは新築ではなくなったため一定の新築を購入したい消費者からの需要が落ちるためです。
築10年あたりから一旦価格が落ち着きますが、20年を超えたあたりで再び価格が下落していきます。
築10年以降の物件は設備の老朽化などで修繕や管理の必要性があがるため、需要が落ちると考えられます。
特に20年〜25年では大きく価格が下落していくのが上記の図からわかるのではないでしょうか。
築26年を過ぎると下落が下げ止まり、価格帯が安定してきます。
これは古いマンションの需要が少なく、低い位置で安定しているのが要因です。
≫≫ リノベーションした中古マンションの資産価値を分かりやすく解説
中古マンションの物理的な寿命
マンションの物理的な寿命を示す耐用年数は、RC造(鉄筋コンクリート造)で約68年というデータがあります。
一方で2000年頃から新築マンションの資料などに「100年コンクリート」や「200年コンクリート」などの耐用年数を伸ばしていくような用語が増えています。
90年代までのマンションや建物の概念は「スクラップ&ビルド」が主流でした。
これは古くなった建物を、新たな技術を含めた新しい建物へと建て替えることです。
当時は築30年ほどで建て替えを検討する人が多くいました。
消費者需要は、新しいものが求められていたのです。
しかし現在はリフォームやリノベーションをして、大切に長く住み続けるという需要が増加しています。
そのため、耐用年数が満たされている物件では、リノベーションを行い販売するのが主流です。
中古マンションの築年数で分かれる耐震基準
中古マンションを選ぶ基準のひとつが耐震基準です。
しかし、多くの方は耐震基準の違いについて詳しい人は少ないでしょう。
物件を購入するなら、地震の多い日本において耐震基準を事前に知ることは大切です。
この章では2つの耐震基準を築年数を絡ませながら紹介していきます。
耐震に関しての知識を学び、安全な物件を選ぶ基準を身につけましょう。
◉ 新耐震基準
旧耐震基準
旧耐震基準とは、1981年6月1日以前までの日本における建物の耐震基準です。
当時は震度5強程度の地震に耐えられるように設計されていました。
しかし1978年に起きた「宮城県沖地震」で、多くの住宅の半壊・全壊と死傷者数が出たことで耐震基準の見直しが図られています。
旧耐震基準には、以下の問題点がありました。
⬛︎|震度6弱以上の地震に対して倒壊する可能性が高い
⬛︎|柱や梁などの構造体が弱い
⬛︎|耐震壁が少ない
これらの問題点により旧耐震基準の建物は、地震発生時に倒壊するリスクが高いと言われています。
新耐震基準
新耐震基準は、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用される耐震基準です。
ポイントは、以下の3つです。
⬛︎|震度6強から7程度の地震に耐えられるように設計されている
⬛︎|柱や梁などの構造体が強化されている
⬛︎|耐震壁がより多く配置されている
これらの強化により、新耐震基準の建物は、旧耐震基準の建物よりも地震に強いと言われています。
ただし、新耐震基準だからといって絶対に倒壊しないわけではありません。
地震の規模や震源地、建物の構造や地盤の状態などによって被害状況は大きく異なります。
中古マンションを購入する際には、新耐震基準かどうかだけでなく、耐震診断の結果や耐震補強の状況なども確認することが重要です。
また新耐震基準は「1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物」であり、必ずしも1981年6月1日以降に完成した建物ではないことを念頭においておきましょう。
≫≫ 中古マンション選びで気になる耐震基準!過去の被害状況から選び方を解説
中古マンションを選ぶ3つのポイント
新築と比較すると、リーズナブルで購入しやすいのが中古マンションの特徴のひとつです。
とはいえ、住宅ローンを利用した高額な買い物には変わりありません。
そのため、ご自身が理想とするちょうどいい物件を選ぶ必要があります。
この章では、中古マンションを正しく選ぶためのポイントを紹介します。
ぜひ参考にしていただき物件の選び方をマスターしていきましょう。
◉ 2. 管理状況のよい中古マンションを選ぶ
◉ 3. リノベーション可能な中古マンションを選ぶ
1. 新耐震基準の中古マンションを選ぶ
中古マンションを選ぶポイントとして、「新耐震基準」があります。
新耐震基準を満たしている中古マンションは震度6強~7程度の地震に対しての安全性があるためです。
地震大国と呼ばれる日本では、耐震基準を満たしていない建物は倒壊や損壊の危険があるため避けるのがよいでしょう。
また、住宅ローン控除などの税制優遇措置を受けることができます。
新耐震基準を満たしているかどうかは、建築確認済証を確認することで分かるため、ぜひ購入前にチェックしておきましょう。
旧耐震基準のマンションでも、耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強を行うことで安全性を向上させることができます。
≫≫ 中古マンションの選び方で後悔しない5つのポイントを解説!
2. 管理状況のよい中古マンションを選ぶ
管理状況のよい物件を選ぶのも需要なポイントです。
マンションは、複数の住人が共同で使用する建物です。
そのため、建物の維持管理が適切に行われていないと、快適な住環境を維持することができません。
適切な管理が行われていないマンションでは、以下のような問題が発生する可能性が高くなります。
⬛︎|共用部分の老朽化
⬛︎|設備の故障
⬛︎|修繕費の高騰
⬛︎|住人のトラブル
これらの問題は住環境の悪化だけでなく、資産価値の低下にもつながります。
管理状況は、中古マンションの長期的な価値を左右する重要な要素です。
購入前に必ず確認し、将来にわたって快適に暮らせる物件を選びましょう。
≫≫ 中古マンションの管理費/修繕積立金の違いは?各相場と値上がる要因
3. リノベーション可能な中古マンションを選ぶ
リノベーション可能な物件を選ぶことも有効な選択肢です。
近年、中古マンションのリノベーションが注目されています。
リノベーションとは、既存の建物の構造や設備を活かして間取りや内装を変更する工事です。
リノベーション可能な中古マンションを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
⬛︎|構造上、間取り変更が可能な物件であること
⬛︎|規約でリノベーションが制限されていないこと
⬛︎|修繕計画がしっかりしていること
⬛︎|周辺環境が良好であること
リノベーションは、中古マンションの価値を高め、理想の住空間を実現するための有効な手段です。
購入前にしっかりと情報収集を行い、リノベーション可能な物件を選ぶことをおすすめします。
まとめ)中古マンション購入ならリノベーションもおすすめ
この記事では、中古マンションの買い時な築年数について紹介してきました。
編集部がおすすめする買い時な築年数は26年以降の中古マンションです。
購入後リノベーションをして理想の住まいデザインを実現するのがよいでしょう。
築26年以降のマンションをおすすめする理由は、購入価格がお手頃なうえ資産価値が安定するからです。
マンション価格は新築から5〜10年で急激に下落します。
その後、築25年まで緩やかに価格は落ちてきますが26年を過ぎたあたりから価格帯は安定してくるという特徴があります。
そのため。築26年以降の中古マンションが買い時でおすすめです。
また、中古物件に強い不動産会社では仲介手数料が発生します。
しかし昨今では仲介手数料を取らない業者も誕生しており、中古物件を購入する際には仲介手数料を取らない会社を選ぶのもポイントです。
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中古マンションの購入を検討しているなら、ぜひ一度リノデュースへご相談ください。