「中古の住宅を購入したけど住宅ローン控除は対象になるかな。」
「最新の情報が知りたい」
「条件や控除を受ける流れを教えてほしい」
今回の記事では、上記のような中古物件に関する住宅ローン控除についての悩みや不安の解決に役立ちます。
住宅ローン控除制度などの税制関連は、毎年改正されます。そのため新しい情報を取得するのが望ましいですが、個人で最新の税制情報を取得するのは手間のかかる作業です。そこで今回は最新の中古物件に関する住宅ローン控除について紹介します。
結論を先にお伝えすると、中古物件に関する住宅ローン控除は最大21万円までできます。ですが、適用するための条件や流れもあるため、この記事で詳しく解説します。
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住宅ローン控除制度と税制改正内容
住宅ローン控除制度は20220年に改正されました。
しかし、最新で2024年度も内容が改正されることがわかっています。ここでは、最新の住宅ローン控除制度と税制改正の内容について紹介していきます。
◉ 2022年度の税制改正内容と背景
◉ 2024年度の最新税制改正内容
住宅ローン控除制度
住宅ローン控除制度とは、住宅ローンを借りてマイホームを購入した場合に、所得税の一部が控除される制度です。
控除額は、住宅の取得等の対価の額に応じて、年末のローン残高の一定割合を限度として、10年間にわたって控除することができます。
控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。確定申告書に明細書を添付して提出することで受けられます。
2022年度の税制改正内容と背景
2022年度の税制改正は、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復と、2050年カーボンニュートラルに向けた対応を主な柱とした内容となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響で、国内経済は大きな打撃を受けました。そのため、2022年度の税制改正では、以下の措置が講じられました。
・雇用維持のための支援策の拡充
・消費喚起のための支援策の実施
具体的には、個人事業主や中小企業に対する持続化給付金や雇用調整助成金の拡充、雇用保険の特別支給給付の創設、消費税の軽減税率の延長などが行われました。
2050年カーボンニュートラルに向けた対応として、以下の措置が講じられました。
・省エネの推進
・脱炭素化に向けた技術開発の支援
具体的には、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度(FIT)の拡充、省エネ基準の強化、脱炭素化に向けた技術開発に対する支援などが行われました。
2024年度の最新税制改正内容
2024年度の税制改正ないようは以下の通りです。
・省エネ基準に適合していない新築住宅は対象外
・省エネ基準に適合する新築住宅は、控除期間が最長13年間
・昭和57年以降に建築された新耐震基準適合住宅が適用
・中古住宅の借入限度額は新築住宅よりも低く設定
・中古住宅の控除期間は10年
省エネ基準に合わない住宅は対象外です。また、控除期間は最長13年間となりました。
中古住宅の適用要件は、新耐震基準のみとなります。また、中古住宅の借入限度額は低く設定され、控除期間は10年です。
新築住宅を購入した方が、住宅ローン控除のメリットは大きくなります。
しかし、中古住宅は価格が安い傾向にあるため、総合的に見ると、中古住宅を購入した方がメリットが多くなっているのではないかと推測されます。
≫ ≫ 住宅ローン控除(減税)期間はいつまで?借入限度額や申請期日もご紹介
中古住宅における住宅ローン控除適用条件
ここでは中古住宅におけるローンの控除適用条件について紹介します。
中古の戸建て物件とマンションにより適用の条件が異なるため、ご自身の購入物件に併せてご覧ください。
戸建て、マンションで共通している適用条件は以下の通りです。
共通項は覚えておきましょう。
・合計所得金額が2000万円以下
・引渡しまたは工事完了から6ヶ月以内で入居している
・併用不可の特例を受けていない
◉ 中古マンションの住宅ローン控除適用条件
◉ 中古住宅はリフォームも控除適用可能
中古戸建ての住宅ローン控除適用条件
中古一戸建ては、建物が新耐震基準であるかどうかが重要ポイントです。
1982年以降に建築された住宅はすべて新耐震基準のため自動的に対象となりますが、1981年以前の旧基準では、「耐震基準適合証明書」が必要になります。
耐震基準適合証明書とは、建築基準法で定められた耐震基準に関する証明書で、建物の耐震性能を証明する重要書類です。
証明書があることで、1981年以前に建てられた住宅でも住宅ローン控除の対象となることができます。
中古マンションの住宅ローン控除適用条件
中古マンションが控除対象となるためには、マンションの「内法面積」(壁の内側の面積)が50㎡以上必要です。
また、不動産の広告でみられる「壁芯面積」(壁厚の中心からの面積)ですが、壁の厚みを含んだ面積であり、内法面積よりも大きな数値になります。
そのため、住宅ローン控除の適用を考慮する際には、特に面積がギリギリの場合、実際の内法面積を確認することが重要です。
築年月を考慮する際には、完成日ではなく建築確認の取得日が基準となります。
建築確認取得日は、建物の建築計画が建築基準法に適合していることが確認された日です。
この日付は、住宅ローン控除の適用を判断する際の重要な基準となるため、正確な情報を入手しましょう。
中古住宅はリフォームも控除適用可能
リフォームによっても住宅ローン控除を受けることが可能です。
この制度は、住宅ローンを利用して住宅を購入する場合だけでなく、改修にも適用されます。
費用が100万円以上かつ特定の工事(建築基準法上の増改築、大規模修繕・模様替え、マンションの専有部分の修繕・模様替え、耐震改修工事、バリアフリー改修、省エネ改修など)であれば、これらの費用も控除対象です。
一方で、住宅ローン控除とリフォーム減税は、原則として併用できません。
どちらか一方の金額が多い方を選択します。また、工事の内容や費用に応じて減税の方が控除額が大きいこともあるため、選択は慎重に検討しましょう。
≫ ≫ 東京で中古マンション購入におすすめなエリアはどこ?目的別に解説
住宅ローン控除を受けるために必要な書類と流れ
住宅ローンを受けるためには確定申告が必要です。この章では住宅ローン控除を受けるための必要書類と流れについて解説します。
◉ 住宅ローン控除の手続きの流れ
必要書類
初年度の確定申告に必要な書類は以下のとおりです
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・本人確認書類のコピー
・建物・土地の登記事項証明書
・建物・土地の不動産売買契約書や工事請負契約書のコピー
・源泉徴収票
・住宅ローンの年末残高等証明書
1982年より前に建築された物件では、他に「耐震基準適合証明書」が必要です。
また、「建設住宅性能評価書」もしくは「既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書の写し」でも大丈夫です。
書類を揃えて確定申告を行うことで、住宅ローン控除の利用ができます。
住宅ローン控除の手続きの流れ
手続きの流れは以下のとおりです。
2. 確定申告書に、住宅ローン控除に関する明細書を添付
3. 確定申告書を税務署に提出
4. 住宅ローン控除の適用を受ける
明細書ですが、ローンの締結金融機関から交付されます。明細書には、以下の情報が記載されています。
・住宅ローンの年末残高
・住宅ローンの借入期間
また、確定申告書は、国税庁ホームページから用紙をダウンロードできます。
次に提出は、郵送または電子申告です。審査が完了すると、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
適用金額は、所得税の還付または翌年度の住民税の減額の形で受け取ります。
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中古住宅における住宅ローン控除のまとめ
今回の記事では中古住宅における住宅ローンについて解説しました。
中古住宅を購入する際、最大21万円の控除を受けることが可能です。
年末の住宅ローン残高に基づき計算され、所得税から控除されます。不足分は住民税から引かれることもあります。
中古戸建てと中古マンションでは、控除の適用条件が若干異なります。
中古一戸建ては、新耐震基準の適合がマストです。中古マンションでは内法面積や築年数が判断基準となります。また、リフォーム費用も対象です。
中古住宅の住宅ローン控除を最大限に活用するためには、適用条件、必要書類、手続きの流れを理解し、適切に対応することが重要です。
そして住宅購入時の経済的負担を軽減し、より快適な住まいを実現する支援が期待できます。
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