多くの人にとってマンション購入は、人生で最も高額な買い物となるでしょう。
希望の条件にマッチした物件であればあるほど、購入金額は高くなる傾向にありますが、一方で希望の条件を妥協すると、せっかくのマンション購入に後悔が残る可能性もあります。
特に近年はマンション価格の高騰が続いているため、新築ではなく中古マンションを選択した場合でも、想定以上の価格になっていることも珍しくありません。
購入時の負担を少しでも減らすことができれば、選択できるマンションの幅も広がるはずです。
本記事では、そんなマンション購入時に使える補助金と申請方法について解説していきます。
ぜひ最後までご覧になってください。
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【新築・中古】マンション購入で使える補助金一覧
まずは、マンション購入において利用できる、以下の補助金をそれぞれ解説します。
– こどもみらい住宅支援事業
– 各自治体での補助金制度
一戸建ての購入と比較して、マンションの購入時に利用できる制度は少ないのが現状となっています。
しかし、申請すれば適用されるケースは少なくありませんので、しっかりと確認して利用できる内容には申請を行っておきましょう。
すまい給付金
こちらは、消費増税に伴う負担増を軽減させることを目的として作られた給付金です。
申請者の所得が低い程給付される額は大きくなり、最大額は50万円に設定されています。
また、特定の条件を満たしていれば現金給付で支給されますので、適用された場合は非常に使い勝手の良い給付金であると言えるでしょう。
40代以上の方がすまい給付金を利用するためには、5年以上の住宅ローンを契約する必要がありますが、50代以上の方の場合は住宅ローンが無くとも適用対象となります。
申請内容に問題がなければ、基本的には2ヶ月程度で給付金が支給されます。
申込方法によっては物件購入価格から相殺する方法も選択できますので、利用者が最も適切と考えるパターンを選択しましょう。
すまい給付金の注意点
適用を受けるためには、売主が宅地建物取引士でなければいけません。
仮に個人同士で中古マンションの売買を行った場合、消費税は発生しません。
そのため、消費増税の対策として設けられている、すまい給付金の対象からは外れてしまうのです。
さらに、購入者の年収目安が755万円以下であることも条件となっているため、申請の際に自身の収入と照らし合わせて確認しておく必要があります。
また、新築物件において申請する場合は、工事完了から1年以内に申請する必要があるので気をつけましょう。
こどもみらい住宅支援事業
こちらは新しい制度ですのでご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
内容としては、脱炭素社会の実現を目的とし、子育て中の世帯や若年夫婦世帯を対象として、主に新築物件を中心に支給されます。
そのため不動産売買契約の締結時点において、未完成もしくは完成から1年以内のマンションであることが条件となっています。
新築物件が対象ですので、万が一完成から1年以内に人が住んでいた場合には、支給の対象から外れてしまうので注意しましょう。
金額については60万円から最大100万円の範囲で設定されていますので、上手く活用できれば大きな補助となるはずです。
また、新築だけではなく中古マンションでも利用可能ですが、こちらの場合は購入時での支給ではなく、特定のリフォーム工事に対して支給される内容となります。
リフォーム内容については様々ですが、基本的には以下のような工事が対象となります。
- 断熱関連の改修
- エコ住宅設備
- 子育て関連の改修
- 耐震改修
- バリアフリー改修
- 高性能のエアコン設置
- リフォーム瑕疵保険への加入
中古マンションへのリフォームを対象とした申請の場合、5万円を下回る工事は対象外となります。
金額については30万円から最大60万円に設定されていますので、こちらも活用すれば中古マンションを快適な物件へと作り変えられるでしょう。
≫≫ 東京で中古マンション購入におすすめなエリアはどこ?目的別に解説
≫≫ 築30年マンションを購入すると何年住める?メリットや選ぶ時の注意点も解説
各自治体での補助金制度
上記2つの給付金については、国が実施している内容ですが、それ以外にも各自治体が独自に実施している制度が存在しています。
例えば、東京都千代田区の場合は「次世代育成住宅助成」と称して、以下のような制度を実施しています。
対象者 | 区外から区内への住替え、または区内での住み替え |
要件 | 3人世帯で年間所得が189万6千円〜1,076万8千円 |
面積 | 3人世代で40㎡以上 |
助成内容 | 1年目は月額5万円 |
助成期間 | 最大8年 |
物件を購入する地域によって内容は多岐に渡りますので、基本的には検討している地域の自治体へ直接確認することをオススメします。
マンション購入以外で利用できる補助金
それぞれ購入時にしか利用できないものと、購入後にも利用できる内容があります。
こちらでは後者に位置づけられるものについて、以下の3点を解説していきます。
– 長期優良住宅化リフォーム推進事業
– 次世代省エネ建材支援事業
リフォーム等に関連する内容が多くなりますので、中古マンションを検討している場合に役立つでしょう。
中古マンションの購入に関しては助成金の利用以外にも、仲介手数料が無料となる不動産会社を経由することで、通常よりもかなりお得に購入することも可能です。
賢い不動産選びと助成金を組み合わせることで、より良い物件を手に入れることもできるはず。
ぜひ合わせてご検討ください。
≫≫ 中古マンション購入で支払う仲介手数料の相場と無料にする方法を解説
≫≫ 中古マンションの探し方のコツを10個紹介!効率的に理想の物件に出会う方法とは
こどもエコすまい支援事業(こどもみらい住宅支援事業含む)
こちらは2023年に開始される新しい支援事業です。
前述した「こどもみらい住宅支援事業」と重なる点も多い内容ですが、新築に対する金額が一律100万円などと若干内容が変わっています。
また、対象となるリフォーム工事についても、2022年11月8日以降の着工であり、2023年12月31日までに工事が完了することを条件としています。
しかし契約日は問わないという条件が変更されていますので、リフォームの工期さえ問題なければ適用されることとなりました。
また、対象となるリフォーム工事についても変更が加えられており、具体的には以下のような内容となっています。
- バリアフリー改修においてホームエレベーター新設が対象外に変更
- 耐震改修が対象外に変更
- 防災性向上に関する改修が追加
厳しくなった面と、そうでない部分がありますので申請を検討する方は内容をよく確認した上で進めるようにしましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
こちらは住宅を長年大切に使用することを目的とした工事に対して給付される内容です。
そのため簡易的なリフォームではなく、住宅の根本的な部分、「耐久性・耐震性・省エネ性能・維持管理性能」などを対象とした工事を前提としています。
新築マンションの場合は必要ない内容ですので、基本的には中古マンションを購入してリノベーションを検討している場合に活用できるでしょう。
しかし、利用条件についてはいくつか項目がありますので、主に以下の内容については事前に確認、対応する必要があります。
- 工事前に住宅診断を実施する
- 工事後に基準以上の耐震性、劣化対策がされている
- 改修工事履歴と維持保全計画を作成する
上限額は対象となる費用の3分の1が目安であり、上限額は100万円〜200万円となります。
耐震リフォームや、浴室改修などといった工事の場合は100万円前後が目安となりますので、大きな工事でも給付金の範囲で収まることが考えられるでしょう。
次世代省エネ建材支援事業
こちらは高性能な断熱材や、蓄熱や調湿性能が高い、次世代省エネ建材を使用した工事に対して給付金が支給されます。
基本的には以下の工事を実施することが、要件として定められています。
- 外張り断熱
- 内張り断熱
- 窓断熱
一戸建ての場合には上記の内容が全て選択できますが、マンションの場合には「内張り断熱」による改修が適用されます。
発生した費用の半分が補助され、上限は125万円となります。
補助金以外でマンション購入で使える減税制度
マンション購入時の出費を抑える手段は、補助制度だけではありません。
マンションは高額な買い物となりますので、発生する税金についても無視できない金額となります。
そのため、税金を減免できる制度が複数存在していますので、これまで解説してきた制度と合わせることで大きな費用削減に繋がるでしょう。
こちらでは、減税制度の中から、以下の3点についてそれぞれ解説していきます。
– 贈与税の減税制度
– 固定資産税と登録免許税の減免制度
住宅ローン減税制度
新築、中古マンションを問わず住宅ローンを組んだ購入の場合、要件を満たせば一定機の間所得税や住民税が控除されます。
控除額は住宅性能などによって異なりますが、新築であれば最大455万円、中古でも最大210万円もの金額が控除されます。
住宅性能については、省エネ性能が高い住宅ほど優遇されますので、控除を最大に活用したいと考える場合はその点に注目することをオススメします。
≫≫ 初心者でも分かる住宅ローンの正しい選び方は?3種類の金利や審査について解説
≫≫ マンションの購入に関わる税金はいくら?控除や優遇制度についても解説
贈与税の減税制度
マンション購入は一時金だけでも大きな出費となりますので、場合によっては親族からの援助を受ける方も多いでしょう。
通常、父母や祖父母から金銭の贈与があった場合には、その金額に応じた贈与税が発生しますが、こちらも要件を満たすことで一定額までが非課税となります。
基本的には500万円までは非課税の対象ですが、省エネ住宅などの条件を満たした物件の場合は1,000万円までが非課税となります。
親族からの援助を受ける場合には、必ず確認しなければいけない内容です。
固定資産税と登録免許税の減税制度
マンションを所有すると毎年固定資産税が発生しますが、購入から5年間は通常の半額に減額される制度があります。
所有した物件が認定長期優良住宅であった場合、減額期間は7年間にもなります。
また購入後の土地、建物の登記申請時に発生する、登録免許税についても、通常の税率よりも軽減されることとなります。
マンション購入で使える補助金の申請方法
ここからは解説してきた補助金や制度について、特にお伝えしたい内容を解説します。
マンション購入自体が不慣れな作業である上に、あまり馴染みのない給付金や減免ですので、それなりに負担がかかることが想定されます。
あらかじめ確認しておき、申請時に手間取らないように準備しておきましょう。
– 住宅ローン控除の場合
– 贈与税減税の場合
– その他自治体独自の申請方法
すまい給付金の場合
こちらはご自身で申請を行う、もしくは不動産会社へ申し込む方法の2種類があります。
不動産会社によっては、代理人を受け付けてもらえる場合もあります。
タイミングは入居後に可能となり、期限は住宅の引き渡しから1年3ヶ月以内となっていますので、期間内に申請を完了するよう注意しましょう。
住宅ローン控除の場合
基本的には入居した年の翌年の確定申告において、ご自身で申請を行います。
適応期間は数年間に渡りますので給与所得者の場合、2年目以降は年末調整での適応が可能です。
各種書類が必要ですので、以下の内容を確認して揃えておくようにしましょう。
- 住民票の写し
- 残高証明書
- 登記事項証明書
- 請負契約書
- 源泉徴収
贈与税減税の場合
親族などから資金援助を受けた場合の贈与税減税については、まず贈与税の申告作業が必要となります。
この時、援助額が110万円以下の場合には減税の対象外ですので、110万円を超えている場合にのみ申請作業を行いましょう。
申告書の提出先は、援助を受けた人の住所に属する税務署です。
この時、以下の必要書類をまとめた上で、行うようにしましょう。
- 贈与税の申告書
- 戸籍謄本
- 登記事項証明書
- 物件取得の契約書写し
その他自治体独自の申請方法
お住まいの自治体が独自に実施している制度については、申請方法がそれぞれ異なってきます。
必要となる書類は多種多様となっているので、まずは不動産会社もしくは自治体へ直接問い合わせることをオススメします。
内容によっては先着順であったり、期限が定められている場合もありますので、少しでも制度利用を考えている場合はできるだけ早めに確認しておきましょう。
まとめ
新築、中古マンション購入時に利用できる補助金制度、減免制度について解説しました。
多くの人にとっては一生に一度の買い物となる不動産購入ですが、数多く存在する制度を賢く利用することで、ある程度費用を抑えられることがお分かりいただけたはずです。
2023年1月現在、不動産価格は高騰傾向にあり、中古マンションであっても想定以上の価格となる場合も少なくありません。
不動産会社によっては、購入時に発生する仲介手数料が無料になる場合もあります。
できる限り購入費用を抑えたいと考える方は、補助金や減免をしながら、仲介手数料のかからない不動産会社を利用することをオススメします。
そのためにも本記事の内容が参考になりますと幸いです。